「短編(？)」を含む小説

　二〇四八年。量子コンピュータが実現させたのは、並行世界の「もう一人の自分」との出会いだった。 　孤独に苦しむプログラマー・結城ユイは、量子自己接続プロトコル（QSP）を通じて…

　とある18禁ゲームのBSS役主人公が、ヒロインからの電話を取ると、竿役DQNの声がした。 『もしもし、俺、佐藤慎吾。今、松原志保の部屋にいるんだ』 　それだけではなく、ヒロイン…

ある男が殺された。彼は死ぬ間際、自分の血液である文字を残していた。彼は死んでからも、亡霊となって成り行きを見守っていた。

「えっ、魔王倒してしまったんですか！！！？？？」 　女神は驚嘆の声を上げた。思ってたんと違うリアクションに俺の方もパニックになる。 「あ、あれ？　そういう話じゃなかったっけ？」 …

「クリスマスなんてやったことねーよ」という彼氏、葛城の発言に、唯子は衝撃を受ける。初めての彼氏と、初めてのクリスマス。それに憧れを抱いていたのに、正直に自分の気持ちを言うことはで…

こんにちは、三沢さん。 やっほー三沢さん。 美味しい？三沢さん。 ねぇ、三沢さんってば。

空の気層には、太古に放たれた言葉が化石として残っている。

作者が介護士として働いている高齢者介護施設であったことを、ぽつぽつと記録していきます。 平均年齢88歳くらいの利用者さまたち。アラサーの私には思いもよらない言動に遭遇します。面白…

いにしえのアンデス地方。少年・アマルは、平原にある「白い道」を守っている。 その「白い道」は、神殿につながっている。村の代表に選ばれ神殿に行くことは、〈名誉なこと〉だと、大人た…

すべての猫は、秘密を隠している。 あなたの隣にいる猫も――？ 「大丈夫、ただの猫ですよ」 本当にただの猫ですか？

ゆらゆらと舞う白い「なにか」を窓辺で見てしまった夜。 それは、ゆっくりと家に近付いてきたーー 少し怖い、奇妙なお話の短編集。

公爵令嬢アイリスは婚約者である王太子ハリーが平民少女マイラに夢中なのが嫌だった。 しかしアイリスは気がついた。 王太子の婚約者に執着する必要はあるのだろうか。 いや、ない。 「…

酒呑童子——恐ろしき悪鬼として現代まで語り継がれてきた存在。 だが、その伝承の裏には、誰も知らぬ“もう一つの真実”があった。 源頼光と四天王が挑んだ大江山の鬼退治。 そこで交わ…

「「断る」 　そう言って俺・護（まもる）は、幼馴染でありかつての恋人・美継（みつぐ）の寄りを戻そうという頼みを一蹴した。 　俺たちが別れたのは金持ちの男に美継を寝取られたから…

同級生からのDMがきっかけで、ある同窓会で起きたパニック事件を調査することになりました。

森口美鈴は大学二年生。サークルの飲み会の後、翌朝にレポート提出があるという理由で二次会のカラオケは参加を断る。同じようにそのまま帰るという福本柊人と共に終電に乗るつもりで駅へと急…

　悠久の大昔。僕は下町の喫茶店でウェイターのアルバイトをしていました。まぁ治安の悪い雑多な街で様々な人が、一生懸命に生きています。このお店の常連さん達は、癖の強い人達が多くて人間…

あなたは特別

蒸気機関車。 SLが客車を引いて、走っている。 モクモクと黒い煙と、噴き出した汽笛の白い蒸気をたなびかせて、夜を走っている。 しかし、この列車、地上を走っていない。 空を飛んでい…