「短編」を含む小説

――黒猫が流れている。 「彼はどこへ行くのだろう？」 僕は、空をぼ～っと見上げていた。 「お教えしましょうか？」 と声をかけてきたのは三十路手前の未亡人。 どこか冷めた作家と、…

高校初日、隣の席に座っていたのは、とんでもない美人だった。 いつも一人で本を読んでいて、クラスで孤立しかけている速水さん。 話かけるなオーラが凄まじい彼女に、ある日俺は、ついに…

寝たら明日が来ると思うと寝たくない。 土曜日の夜の静けさは、主人公に安らぎを与えはしない。仕事のない日曜日は母が家を訪ねてくるからだ。

私、志草ねなには変な癖がある。脳内で勝手に執筆活動や作品についての「インタビュー」が行われるのだ。要するに妄想だ。 しかし人気作家でもないのだから、実際にインタビューを受けること…

さぁ、始まった参りました。カクヨムコン11。もしくは、カクヨムコン11短編。 そのなかでも一般文芸クラスタには第二回円城塔賞が待っていますね。そこで今回はブックガイドとして良かっ…

「幸せを探しに行こう！」　 大学三年生の月城大和は、交通事故で、二年分の記憶を失ってしまった。 そこに、向日葵のような笑顔で、温かい空気を纏った、同い年の女の子が現れ、幸せを探す…

なにもかもが色褪せて、つまらない。 生きている実感のない明日香が、出会ったのは悠久の時を彷徨った吸血鬼。 この出会いを運命と言えば良いのだろうか。 夜の帳に隠れて逢瀬を重ねる。…

猫にまつわる、愛と葛藤の人間ドラマを描いた短編集です。

作者の気持ちを答えなさい、という国語の問題があります。 あれはその時の作者の気持ちを答える問題ではなく、作者がどのような意図でこの文章を書いたのか答えなさい、でしょう。 さて、2…

～＊カクヨムコンテスト11短編小説部門・円城塔賞　参加作品です＊～ 〔 あらすじ 〕 近未来、人類はMNE(Memory Neural Extraction)と呼ばれる技術…

学年一の秀才鮎川龍は、クラスメイトの二階堂から勝負を挑まれた。「ボクの考えたゲームで対決してくれよ。秀才クン？」

すべての猫は、秘密を隠している。 あなたの隣にいる猫も――？ 「大丈夫、ただの猫ですよ」 本当にただの猫ですか？

「自殺を止めてほしいと頼まれたから殺した」 異常なほどの純粋さが引き起こした自殺阻止事件。その正解は誰にもわからない。そして、世間は犯人の青年・狂々をサイコパスと決めつけた。人間…

放課後の小さな公園で孤独にサッカー練習をしていた少年は、ベンチにいた黒ずくめの女性と出会う。スマホ越しに見えたサッカー動画をきっかけに、ぎこちなくも奇妙な交流が始まり、少年は初め…

――ある日、今までもそこにあったかのように、自然と存在していた鉄獄。 誰もがそのダンジョンの奥に潜む、蛇を倒さなければならないと思っている。しかし、今鉄獄に挑んでいるのは、もは…

「僕に足りなかったのは、全身での表現力だったんですね」 狂気の理論は完結し、ノムラは解放される。 しかし、解放は必ずしも幸福とは限らない。 食レポが紡ぎだす、知的サスペンスホ…

ネコがうっかり発した一つの言葉が、巨大なマンメン・ドラゴンの怒りを買いました。 ドラゴンは平和のルールまで否定し、ネコのお菓子を受け取らないという「嫌がらせ」を始めます。 …

　好きな女の子が、いつも首から下げているペンダント。どうやら写真入れになっているらしい。誰の写真なのか、彼は気になっていたのだが……。 （「小説家になろう」「エブリスタ」でも掲…