ならば私がインタビュー!
志草ねな
1 書籍化について
──本日はこの作品の作者である志草ねなさんに対して私、志草ねながインタビューを行うという「セルフインタビュー」をお引き受けいただき、ありがとうございます。ところで、このセルフインタビューっていったい何なんですか?
実は私、ちょくちょく脳内で謎のインタビューが始まるんですよ。新しく書いた作品のポイントを教えてください、とか言われたりして。まあ要するに妄想なんですが、自分でやろうと思ったわけでもないのに勝手に始まるんです。で、これが脳内だけにとどまっているのがもったいないような気がして、その様子を形にしてみようかと思いまして。
──よくわかりませんがなんかわかりました。早速ですが、志草ねなさんがカクヨムに投稿した短編を集めた『志草ねな短編集』が発売されないことについて、どうお考えですか?
まあ、当然のことでしょうね。私の作品は何の賞もとっていませんし、何万人の読者がいる大人気作家というわけでもありませんから。そんな人の作品まで書籍化なんかしていたら、いくら天下のKADOKAWAといえども破産しかねませんよ。
──では、志草さんはどうしたら大人気作家になれるとお考えですか?
中人気作家になればいいと思います。
──言っていることの意味が分かりませんが。
世の中には、「人気がある」という理由だけで作品を読むという人がある程度いらっしゃいます。ランキング上位の常連といった人気のある人の作品は、そういった「人気の作品だから読む人」が読むことによってさらに読者を増やしていき、大人気になっていくことでしょう。
つまり、ある程度の人気を得ると、そこで一気にボーナスポイント、即ち人気があるからと読む人を獲得して、さらに人気が上がるわけです。たぶん。
──だったら、中人気作家になるにはどうしたらよいとお考えですか?
世界最多の利用者数を誇る、新宿駅に巨大広告を出してみたらどうでしょう。かなりの宣伝効果があると思いますよ。
──お金がかかりすぎると思います。どう考えても一個人がやることではないでしょう。
じゃあ、カクヨム運営を買収してみたらどうでしょう。手っ取り早く人気作家ということにしてもらえますよ。
──犯罪です。絶対にやったらダメですし、そもそもカクヨム運営は買収できないと信じたいです。というか、なぜリスクの大きすぎることしか考えつかないんですか。
何のリスクも無しに人気作家になろうとするほうが間違っているのではないでしょうか。そう簡単な道ではないでしょう。そもそも、人気作家でもない人間に対して人気作家になるための方法を聞いてどうするのですか。正しい答えなんて、わかるはずがないでしょうが。
──大半の人間は東大生でも東大卒でもありませんが、「試験に合格する」という東大に入る方法は知っています。
だったら人気作家試験に合格したらいいんじゃないですか。そんなもんあるのかどうか知らないけど。
──
なんだか恥ずかしいですし、そもそも誇れるようなことがありませんよ。
──謙遜しなくてもいいですよ。「地方国立大卒の作家!」とかどうですか。
地方国立大を卒業した人というのは、そこそこいるのではないでしょうか。というか、小説の出来とは何の関係もありませんが。
──では、「利き手じゃない左手でマウス操作できる作家!」はどうでしょう。
ああ、以前職場の都合でパソコン二台使うことになりましてね、いちいち体の向きを変えるのも面倒だからって、練習したらなんとか使えるように……って、これをアピールしたら何があるというんですか。むしろ、そんなことしか自慢できない作家の作品読みたくないでしょ。
──だったら、「小さい頃は身内からかわいいと言われた作家!」で……。
いい加減にしろぉぉ! すぐに言われなくなって悪かったな! 他人からは言われてなくて悪かったな! もういい、インタビュー終わり!
──こんなことを言っていますが、この作品はまだ続きます。これからもお読みいただけると嬉しいです。
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