嘆きの王と沈黙の代償

戦の大火が鎮まり、復興と繁栄を誓い、新たな歴史を刻み始めた数多の国々と世界。
豊かな自然と豊富な資源に溢れる島嶼国である、バスティーナ王国も各国同様に、平和を願う国王の下で更なる繁栄に尽力していた。

人々が団結し苦難の中に再び笑顔が戻った、そんな折の事。
遠方の砦に出向いていた国王側近の兵士『リアム・ノーレン』に王城襲撃の知らせが届く。

急ぎ王城へと向かったリアムが目にしたのは、血の海に沈んだ国王の姿。
憎悪と悲嘆に暮れる中、城内を彷徨っていた彼は廊下にうずくまる一人の少女を見つける。

酷く怯えた様子の少女の左目から流れる大量の鮮血。
城内に居た者の大半が惨殺されている中で、光を失った瞳以外の傷が見当たらない事への違和感を覚えると同時に頭をよぎる言葉。

『一人でも多くの民に幸せを』
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