概要
捜査が滞るなか、保科透子という女性が突如出頭する。
「会津稔を殺したのは私です」
彼女は犯行模様の詳細を洗いざらい話し、彼女が犯人なのは間違いないと思われた。しかしただ一つ、大きな問題が立ちはだかる。
殺人動機については完全黙秘したのだ。彼女と被害者との間に接点はなく、捜査は暗礁に乗り上げる。
困り果てた南條は旧友の俵積田徹に助けを求める。
『五十円玉二十枚の秘密』に続く俵積田徹シリーズ第2弾。
第2回カクヨムU-24杯優秀賞受賞作。
〈登場人物紹介〉
会津 稔:被害者。サラリーマン。
会津 愛実:18歳。稔の一人娘。
保科 透子:19歳
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!究極の社会派ミステリー!
舞台は1969年。会津稔という一人のサラリーマンが殺害され、彼の娘が捜査線上に浮かび上がってくるのだが——彼女には完璧で、完全なアリバイがあった。
逆に、そのアリバイを警察達は疑うのだが。そこで、タイトルにもある通り、別の女性が突然出頭する。
彼女は事件の詳細を自分の口で、冷静に説明し、全てが彼女から明かされると思っていたら……!
ミステリーと聞くと、物凄く難しかったり、読みづらいといった印象を持つ方がいるかもしれません。ですが、本作はミステリーがとても上手な作者様が書いた大傑作です。
文章は綿密、ストーリーは精巧、キャラクターは魅力で溢れた作品です。ミステリーを普段読まない人でも…続きを読む - ★★★ Excellent!!!遠ざかりつつある昭和の時代を舞台に描く、悲しい社会派ミステリー。
1969年は、高度経済成長期の只中で、世界的にはアポロ11号が月面着陸に成功、国内では東大安田講堂事件が勃発した全共闘の時代だと言われています。
この物語は、まさにそのような「激動の昭和」を舞台に描かれる社会派ミステリーです。
証券会社に勤務する会津稔を殺害したらしき被疑者は、保科透子。彼女は凶器を携え警察へ出頭するものの、動機については黙秘し続けます。自首したにもかかわらず、いわゆる「完落ち」を頑として拒む背景には、いったい何があるのか?
まさに社会派ミステリーファンのツボを突くような舞台設定やストーリーラインで、そうした方向性の作品がお好きなら、思わず引き付けられてしまう内容でしょう…続きを読む - ★★★ Excellent!!!推理小説の麒麟児が描く、珠玉のホワイダニット
この作品は、犯人の動機に焦点を当てた、本格ミステリー小説です。
作中で起きる事件の概要は、以下のようなものです。
1969年三月、奥多摩で、証券会社に勤務する会津稔という41歳の男性が 路上で殺されているのを発見されます。
稔には愛実という娘がいて、彼は彼女と二人暮らしだったようです。
愛実は犯行時刻に、友人の樹里という子と福岡県へ旅行に行っていたみたいです。
警視庁捜査一課の南條は、愛実が怪しいと考えていたのですが、そんな時に、透子という女の子が突然、「会津稔を殺したのは私です」と自首してきます。
彼女は被害者とは何の接点もない子でした。
しかも、動機について…続きを読む