概要
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- ★★★ Excellent!!!変化が産む、変化の過程
繊細な筆致で語られる描写が、仄暗い世界を眼前にありありと映し出してくれるのが印象的。
テーマなどがあるのかは分かりませんが、男の容姿が変わるまでの間の心の方こそが重要な変化であるように感じる。
カメラという別の視点を得る事で自分の内面と向き合い、そしてその思いを自分の内で留めておけなくなり、外の世界へ。その時点で男はもう大切な変化を終えていて、姿の変化が無くても十分だったように思う。
しかしこの話をそれで終わらせないのが、魚影の存在。
魚影という存在の介入で、男に姿の変化というものが起こった。これは実際過剰な変化であるように思う。極端な変化はリスクを伴う。
今までの内容はこの男だけではな…続きを読む - ★★★ Excellent!!!細かい描写と漠然とした心理描写の対比
物語全体を通して語られるのは、結局のところ、怪病を患った1人の男性が廃墟へ向かい、奇妙な体験をする話。
だがしかし、純文学のような語り口で語られる丁寧な描写は読者の心にいともたやすく写し出す。幻想さと入り混じり、独特の世界観を醸し出している。匂いに至るまで想像できる文章力と、正確な描写を描いたのち、男の目を通してみた比喩表現を重ねる手法は是非とも真似したい。
反比例するように、男性の心理描写は漠然としたものが多い。そのためか、非常に感情移入がしやすいのだ。「惹きつけられるものがあった」「うまく言い表せないが」「何かが足りない気がする」など、明確な答え、理由を提示しない書き方が読者の想像に自…続きを読む