このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(121文字)
この作者先生の、文章力や語彙力には、いつも舌を巻いているのですが、今回の作品も、最早、純文学作品にまで、昇華しています。ここは、単なるホラー作品の粋を超えて、読者を、別の次元の世界に連れて行っているのです。幻想か?現実か?様々な思いを読者に残して、風のように、去って行く、この小説。タダタダ、驚嘆の声しか、出ないのです。
ポストに手紙を出し続けた。けれどもうその手紙は届かないと烏丸は言う。青い瞳の少年だった。どうして手紙を出し続けたのか。それがなぜ不幸の手紙だったのか。読み終えると全てが見えてきます。切なさと優しさとが混ざって心に深い余韻を残します。ぜひ読んで見て欲しいです烏丸のキャラクターも素敵でした。物悲しくも素敵な物語をありがとうございました…!
あの子に手紙を出し続ける主人公。いつものポストに投函したとき、不意に現れた天狗の少年は言った。その手紙はもう届かない、と。不幸の手紙――そう聞いてどう思う?おそらくほとんどの人が似たような説明や感想を述べるだろう。けれど、この主人公は違ったようだ。そんな使い方があったのかと驚いた。少年天狗と主人公のやり取りが軽やかに物語を引っ張っていく。そして最後に読者が見るのは、とても崇高で美しい光景であるだろう。
悲しいかな。人間は1人を愛しつつ、1人ではいられないのです。友などいらないとうそぶいても、友が欲しいのです。友がいたら。願わずにはいられないのです。どこにいても。どんな方法でも。春。出会いと別れの季節。樹に咲く桜の花。散って地に舞う桜の花びら。物語を読んだあと。ちがうものに見えるかもしれません。各々の映像を、美しい文章から描ける喜び。ゆっくり味わっていただきたい作品です。
死して不幸の手紙を出す少女。だが、その真意は、自分以外の友が居ない友人を心配してだった。天狗が友への未練を浄化してくれたのか?最後の想いは友が出来た親友を祝福する言葉。青い目の天狗はイスラエルの民だといわれる伝説も頭をよぎった。短いけれど深い物語。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(91文字)
もっと見る