概要
北海道を走る特別な列車〈スクールトレイン〉。それは、学校に通えない子どもたちが、自然や人とのふれあいを通じて、自分を見つける旅に出るための列車。
主人公・ひよりは、言葉にするのが苦手な少女。スケッチブックだけが、彼女の世界とつながる窓だった。そんなひよりが、定山渓、ニセコ、洞爺湖、伊達、室蘭と旅を重ねる中で、仲間との出会いに心を開き、命の色や「自分の言葉」を少しずつ見つけていく。
温泉の温かさ、森の音、火山の静けさ、水辺の命、鉄道の記憶——北海道の自然が、ひよりの心をやさしく揺らし、動かしていく。
「地球も、生きてるんだね」
これは、ひとりの少女が「自分のレール」を見つけるまでの、やさしくて力強い旅の物語。
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ここより以下は「第14回角
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!もうひとつの故郷を探しに。
「価値の羅針盤」という言葉があります。
人生において苦難に遭遇したとき、そんなときこそ、
自分が本当に大事なものを見失わないでという、
そんなメッセージが込められています。
おそらくそれは、その「価値」が危機に瀕したときでさえも、そうなのでしょう。
何故ならそれは、他の誰でもない、あなたの元に、あなただけのかたちで、
飛び込んできたものだから。
主人公・ひよりちゃんの視点は拙く初々しく、そして脆い子どものそれですが、
やがて彼女より年長、あるいは大人の読者も、
彼女の中に自分の姿を見出すのではないでしょうか。
さあ、行きましょう。旅は、始まったのです。
素敵な作品を、ありがとうござ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!北海道が舞台!学校に行けなくなった女の子は「特別列車」に希望を乗せて~
こちらは、つばさ文庫応募作品です。
児童文学が好きなので紹介しますね😃
主人公のひよりは小学五年生。
大人しくて自分の気持ちを言葉にするのが苦手な女の子。繊細さんです。
ひよりは、学校で仲間はずれ等
対人関係が怖くなって学校に行けなくなる。
祖父のすすめで自然体験教室「スクールトレイン」に乗ることになりました。
同じような年齢の仲間たちとふれあい。
雄大な自然に包まれながら、次の体験の場所まで列車は走る。
頑なだったひよりの心が少しずつ溶けてゆきます。
その様子に「よしよし」って見守りたくなります。
現在、不登校の子どもが35万人以上ともいわれています。
不登校の理由は様々ですが、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!北海道を駆け抜ける教室は 優しくて温かく寄り添ってくれる居場所でした
現在、日本ではたくさんの子どもたちが学校に行かれなくなっています。
その事情は千差万別。お子さんの数だけ理由もあると思いますので、こうすれば良い等という万能解決策はありません。
そういう時は、焦らずゆっくりと。
自然に触れて自分の心とゆっくり向き合って、エネルギーが満ちてくるのを待つ事が大切……
頭では分かっていても、簡単にできないんですよね。
だからこそ、本作で描かれているようなスクールトレインは、きっかけをくれる大事なツールとなると思います。
作者様の深い見聞により描かれた体験内容は、臨場感がいっぱい。大人でも楽しめて勉強になりました。
さあ、皆さんも一緒に乗車…続きを読む