荒廃？退廃？変わってしまった街を自転車でゆく女の子──ってだけでまず惹かれますよね。発想が良すぎて（偉そうにすみません）
その主人公のキャラクター性も素敵だし、ディストピアもの特有のどこか切ない読書感もちゃんとあるし……。
記憶を辿るという奥行きもあります。
とにかく読んでみてほしい！！！

何らかの原因で荒廃した世界となった日本。スライムや巨大化生物などのモンスターがうごめく。そんな中、病院で少女は目覚めた。
記憶はない。この自分の置かれた状況を聴こうにも自分以外に人間がいない。
手がかりは生徒手帳。生徒手帳に記載された住所を目指し少女のサバイバルの旅が始まった。

現代の女子高生にサバイバル技術の何ができるの？
と、思ったけれど、鉄パイプなどを武器にスライムたちと戦い、小銃も難なく扱えます。そして、巨大昆虫などのモンスターと戦うにしても判断が早い。これは少女の失った記憶と何か関係があるのか？

少女の正体、そして、なぜこのような世界になってしまったのか？　モンスターの発生要因は？　旅が進むに連れて目的に向かって進むにつれて、逆に謎は増えていきます。
生き残るための少女の行動に、そして、前述の謎の答えは？　完結まで是非読みたい。

ちょっと視点を変えた楽しみ方としては、主人公の女子高生は神奈川県から南下していくのですが、自分が住んでいる街は登場するのかなというわくわく感も。

【第22話まで読んでのレビューです。】

はじめの一話から主人公や世界観の提示がうまく、すぐに作品に入り込んでしまいます。もちろんそれ以降も魅力的で、作り込みもまたすごい。とにかくすべての人に見てもらいたい作品。

　主人公は記憶喪失の状態で目覚めた女子高生。辺りに人は一人もいません。いるのは、人間を喰らうモンスターたちのみ。生徒手帳に書かれた住所をもとに実家へと向かう長い旅に出ます。

　モンスターの描写がとてもリアルで、ハラハラどきどき、手に汗握る展開です。個人的にお気に入りのモンスターはサメにカエルの足が生えたやつです。

　銃などの武器の描写も作者のこだわりが光っています。銃好きは満足できること間違いなし！

　自分なら、この世界でどう生きるか、主人公と自分を重ねて読んでしまうお話です。

かなり絶望的なポストアポカリプス世界でも、逞しく生きる主人公が魅力的です。いまやれることをやるって感じで前向きに旅をしているので、読んでいると勇気が貰えます。でも恐ろしい真実が物語の背後に隠れていそう。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（42文字）

『水音シズカの独りぼっち旅行記』は
廃墟の日本を自転車で進む少女の一人称が
軽口と震えの間を往復しながら
〝音のない世界〟を刻むサバイバル譚──

拾い物の装備や即席の工夫
モールや役所などの空気感が現実味を積み上げ
手記や監視映像が不穏な歴史をにじませます。

怪異の〝進化〟と
人恋しさが同時に胸を締めつけ
刃渡りのアクションと小さな休息のリズムも
センスがあり巧みです！

温泉や食事の温もりが次の危機を鮮烈にし
記憶の空白と「帰る場所」への希いが
強烈な余韻を残します！！

崩壊世界の紀行文にもなってて面白いです。
まだまだ旅の先は長そうですけど、こちらもゆっくり彼女の旅を見て行きたいです。

と、思ってましたが、何というDo survive。
ゆっくり紀行文見てる気分じゃなかったですよ。
先が楽しみです。

何が起きてるのか？？わたしも一緒になって旅をしている気持ちになり、次がとても気になって一気に神奈川県編を読んでしまいました。続きも楽しませていただきます！

主人公はただひとり、未知の世界へ置き去りにされたところからこの物語は始まる。
どちらに向かえばいいものか――しかし、世界は彼女を拒絶する。
孤独にひた走る、今後の展開はどうなる――？

記憶を失った少女が旅をします。唯一残された生徒手帳を頼りに自宅を目指します。
なんともドキドキする導入です。

そしてなんと、その世界はモンスターが徘徊する世界でした。病院でいきなりスライムに襲われてしまいます。市役所では芋虫。ぎゃぁ。

彼女にさまざまな試練が襲いかかります。けれども生き延びます。彼女は、孤独、そしてささやかな幸福を積み重ねていきます。久しぶりにお風呂に入る場面はしみじみしました。

少女の自分探しと生還の物語です。皆様もぜひお読みください。