「月蝕=叶わぬ口づけ」という表現が特に胸を打ち、切なさと永遠性が同時に感じられます。静かな冷たさの中に熱を秘めた、とても余韻の残る一篇でした。
全体的に、巧みに練られた比喩的表現、ほのかな感覚、深い余韻、そして夢幻的な雰囲気が見事に調和しており、個人的に非常に興味深く、優れた詩だと感じます。詩に少しでも関心のある方であれば、感嘆の声を上げずにはいられないほどの作品だと思いますので、ぜひ一読をおすすめします。
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飾り気のない愚直な感想になりますが、とても良かったです。白と黒、そして月と兎を題材に、文章が何の違和感もなく全ての要素を接合しています。この作品への多くの評価にも納得です。月夜は決してモノクロの世界ではないですが、あらゆるものを排除し、研ぎ澄ませていけば白黒の世界でもここまで色鮮やかな物語になるのですね。短編、ショートの勉強をさせて頂きました。心から感謝致します。
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天体と黒白にうさぎを組み合わせたことで、誰でもない書き手さんの世界が作られてるなあ、と思いました。その人だけの世界観で、美しい光景や壮大な風景を表せるのはいいなあ。月蝕を口づけと見るのは、素敵すぎる。
想いの軌跡は今宵もめぐる。そんな幻想の世界を美しい言葉で幻想的に魅せていただきありがとうございます。
これは詩です。単に言葉を紡いだ文章でしかありませんが、人によっては、童話に見える人もいるでしょうし、音楽と感じる人もいるでしょう。私はコンテンポラリーの題材に見えました。2人の白と黒の衣装を着たダンサーによる、踊りが見えました。皆、それぞれで感じれば良い。書いた作者が、そんな事は全然意識しなかった様な事であっても。それが、受け手側に許された自由だと思う。
暗喩や対句などを駆使して、素晴らしい幻想の世界を描いてみせています。その手腕に瞠目しました。白いうさぎと黒いうさぎの織り成す詩に、たっぷりと酔い痴れるでしょう。
月蝕をモチーフにした白と黒の対比が美しい光と影、触れられぬ想いの切なさが深く胸に迫る静謐な言葉で綴られる永遠に交わらぬふたりの宿命と祈りが余韻となって心に沁みる
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