ももいろ桃子の物語　(上)

ある晩。子供のいない夫婦のもとに、可愛い女の子の赤ん坊が優しい籠に入れられて預けられました。誰が何の目的でそうしたのか。
桃色のほっぺの彼女は「桃子」と名付けられ山奥の村でわんぱくに育ちます。桃子には天気が読めたり、動物の気持ちが分かったりと、他の人とは違う力がありました。
あるとき彼女は、この世界のどこかに「海」と言うものがあることを知り、どうしても見たくなり旅に出ることにします。
鬼が棲むと言われる「天柱山」。その向こうを目指して。
旅の途中で出会った精悍な男性、ちょっと乱暴だけど元気で優しい男の人、そして美しい見た目と不思議な雰囲気を持つ女性。
旅の途中で桃子は様々な経験を経て少しずつ成長していきます。

長い旅の末ようやく辿り着いた天柱山の麓。そこには祠があり、霊峰天柱山へ入山するに…続きを読む