概要
創作活動をするということ
大学を卒業して十年以上、すっかり連絡も取り合わなくなっていた文芸サークル仲間から年末同窓会の連絡を受けた。それをきっかけに、文芸サークルに所属しているのに読み専だった同級生のことを思い出す。彼女は俺の作品を読むたびに「面白くない」と酷評し、そして「私が読みたい尾道の小説はこれじゃない」と話していた。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!棘を抱えて生きてゆけ。
すっかり疎遠になっていた大学時代の創作仲間の同窓会。
まだ書いていて、書くことを仕事のひとつにしている主人公は、書くためのサークルのなかでただひとり読み専だった同窓生を思い出す。
彼女はいつも、説得力のある言葉で自分の作品を酷評していた。
同窓会の場で伝えられた事実。なぜそうなったのかはわからない。
読み専だった彼女がただひとつ書いた作品は、主人公以外に読まれることもない。
いろいろなものが未消化なままで、でもそういう「すっきりと終わらないこと」こそが人生で、すっきりとした答えの枠に嵌め込むことだけが創作じゃない。
そう言われた気がしました。
主人公はきっと、心に刺さった棘を抱えて…続きを読む