イタリア風味の異世界と中華風の異能が交錯するボーイ・ミーツ・ガール、本作はそんな物語です。
地方領主の、自他共に認めるダメ息子のベルは、記憶喪失の美女ヤンアルに出会ったことから自らの運命を変えていきます。
オーロラのような真紅の光の翼を纏い、体術と気功を駆使するヤンアルを、ベルは古くから謳われる伝説の竜姫と信じますが、それにも増して、どこか寄る辺ない儚さを感じさせる彼女に強く惹かれます。
そして訪れる転機に、一人で姿を消したヤンアルを捜し求めて、ベルが自分の意思で旅立ちます。ヤンアルが分かち与えてくれた力の一端を、その身に宿しながら……。
展開としましては、まだ全容のうかがい知れないところではありますが、大きなうねりを予感させてくれる東西クロスオーバー・ファンタジーです。
弱小領主のダメ息子である主人公ベルティカは、あまりやる気の見られない、飄々とした性格であるが、彼とは対照的で美しい、強い、かわいい、たまにドジる、そして記憶喪失という魅力溢れる伝説の竜姫・ヤンアルと出会い、心が通いあうことで少しずつ変化してゆく。
主人公の家族もそれぞれの立場は違うがみなしっかり者揃いで暖かい。
しかし、超常の強さと美しさを持つ伝説の竜姫を周囲は放っておかない。ヤンアルを巡る陰謀に主人公は巻き込まれていく。
ベルティカはダメ息子とはいえ、彼自身もとても魅力のある人物で、向上心が無く現状維持で満足しているようにみえるが、それは本来の優しさのせいかも知れない。
対してヤンアルは奔放で感情を素直に出すタイプであり、彼女のまっすぐな生き方にベルティカが影響を受けてどう変わって行くかがとても楽しみ。
西洋風ファンタジーでありながら、中華要素があり、主人公以外のキャラも立っていてどんどん読み進めたくなる物語。
ぜひ多くの方々に読んでいただきたい。
『弱小領主のダメ息子』とあだ名される主人公のベルティカ。
ある日。彼は褐色の肌の美少女ヤンアルと出会います。ヤンアルは、記憶をなくしているらしく出自は不明。ベルティカはヤンアルを放っておけず、彼女の世話をすることにするのですが――
本作は西洋風ファンタジー。なのですが、この作品を書かれているのは『古代中国を舞台に武人たちが戦う武侠小説』を多く書かれている作家さまです。
そんな作者さまは、本作のなかにも武侠小説の要素を沢山散りばめてらっしゃいます。これには、本当に驚きました。すごく西洋風ファンタジーなのに、中華風小説より中華感があるかも!!こんなの、見たことがありません!!!
これを読んで、フワッと読み飛ばしていた武侠小説の要素の理解が自分のなかで深まりました。
すごく面白い経験をさせていただいてるなと思っています。
まだまだ連載中なのですが、ぜったい最後まで追いかけたい一作です☆
西洋風ファンタジーをお好きな人はもちろんですが、中華風ファンタジーがお好きな方にも自信をもっておススメできる作品です。
へっぽこだけどどこか憎めない、領主の息子の主人公。
強くてカッコいいけど、ちょっぴりドジなヒロイン。
主人公のことが大好きだけど、中々素直になれない妹ちゃん。
領民想いのお父様に、頼りがいのある従者たち……。
魅力満載のキャラクターが次々登場するのが、本作の見どころの一つ!
また世界観も面白く、よくある西洋チックな剣と魔法の世界をベースとしながら、ヒロインが扱う技は中華モチーフ。
他では中々読めない、新感覚の組み合わせではないでしょうか!?
文章も分かりやすく、社畜生活で疲れた頭でもサクサク読めます!笑
純粋に楽しい物語をお求めの方に、ぜひオススメしたい一作です!!