大喜利が趣味の長内さん

第14話 プールに潜む謎と大喜利サバイバル

夏が近づき、学校のプール開きが行われる日がやってきた。生徒たちは楽しみにしていたが、プールの掃除を担当していた先生が、突然「プールの底に奇妙なものが見える」と言い出した。その話が広まると、生徒たちは「プールに何かが潜んでいる！」と怖がり始めた。

「もしかして、プールに幽霊がいるんじゃない？」「水の中に何か住んでるんじゃないか？」

そんな噂が校内に広がり、プール開きの前に「謎のプール事件」として大騒ぎになってしまった。

そこに現れたのが、いつもの清掃員・長内さん。プールの異変について相談された彼は、笑顔を浮かべながら言った。

「ふむ、これは俺の大喜利サバイバルの出番だな。みんなでこの“謎のプール”について想像して、解決してみようじゃないか！」

生徒たちは「大喜利サバイバル？」と驚きつつも、次第に興味を持ち、長内さんの提案に賛同した。

まず、長内さんは「プールの底に潜んでいる正体」について大喜利で考えるよう生徒たちに投げかけた。

ひとりの生徒が勇気を出して答えた。

「もしかしたら、プールの底には“水中タヌキ”が住んでいて、夜になるとひっそり泳いでるんじゃないですか？」

長内さんはすかさず、「おお、水中タヌキか！それはなかなか愛らしい住人だな。タヌキがひっそり泳ぐ姿、見てみたいもんだ」と笑い、生徒たちも「タヌキが泳いでたらかわいいね！」と和んだ。

次に別の生徒が、少し不安そうに答えた。

「プールの底には…伝説の“水中ゾンビ”が眠っているとか？夜になると水中から手を伸ばして…！」

長内さんはおどけて、「それは怖いな！じゃあ、そのゾンビには浮き輪をプレゼントして、みんなで一緒に泳ぐ練習でもしてもらおうか？」と冗談を言い、生徒たちは「ゾンビも一緒に泳ぐのか！」と大爆笑。

さらに、別の生徒が笑いをこらえつつアイデアを出した。

「もしかしたら、プールの底には“水の妖精”が住んでいて、水をきれいに保ってくれてるのかもしれない！」

長内さんは目を輝かせ、「おお、それは素敵な話だな！じゃあ、妖精が喜ぶように、みんなでプールをもっときれいに保とうじゃないか」と答え、生徒たちも「妖精に感謝しなきゃね！」と同意した。

最後に、ある生徒が大胆な発想を披露した。

「プールの底には“未来から来た自分”が潜んでいて、泳ぎを教えてくれるんじゃないかな？！」

長内さんは驚いた顔で「おお、未来の自分か！それはロマンがあるな。じゃあ、将来の自分に負けないように、みんなも今のうちから泳ぎの練習を頑張ろう！」と応じ、生徒たちは「そうだね！未来の自分に負けないようにしなきゃ！」とやる気を出した。

こうして、さまざまな「プールに潜む正体」についての大喜利が終わると、生徒たちはいつの間にか怖がるのではなく、むしろワクワクしながらプールでの活動を楽しみにしていた。

そしてプール開きの日、みんなで一斉にプールに飛び込むと、なんと底に見えた「謎の影」は、ただの掃除道具だったことが判明した。先生がうっかり忘れていた掃除ブラシが水中で光に反射し、影を作っていたのだ。

生徒たちは大笑いし、長内さんに感謝した。

「長内さんのおかげで、プールが楽しい場所に思えるようになりました！ありがとうございます！」

長内さんは微笑みながら、「みんなの想像力がこのプールを楽しい冒険に変えたんだよ。これからもプールをいっぱい楽しんでくれ！」と答えた。

こうして「謎のプール事件」は、長内さんの大喜利によって無事に解決され、生徒たちは笑いとともに夏のプールでの活動を満喫することができた。

長内さんは清掃員としてだけでなく、生徒たちに「楽しく想像すること」の大切さを教えてくれる存在として、ますます学校の人気者になっていくのだった。