第9話 図書館の謎!消えた本と大喜利探偵
ある日の昼休み、学校の図書館で不思議な事件が起きた。生徒たちが借りたかった人気の本が、突然消えてしまったのだ。図書委員の生徒たちは図書館中を探したが、本の影も形も見当たらない。あの本を楽しみにしていた生徒たちは「誰かが隠したんじゃないか?」と疑いの目を向け始め、ちょっとした騒動に発展していた。
そこに現れたのが、清掃員の長内さん。図書委員のひとりが彼を見つけ、頼りにして声をかけた。
「長内さん、この本がなくなっちゃったんです!誰かが持っていったかもしれないんですけど…」
長内さんは微笑み、図書委員たちに向かって言った。
「ふむ、これは大喜利探偵の出番だな!俺の推理で、この謎の消失事件を解決してやるよ。」
図書委員たちは「大喜利でどうやって?」と不思議そうにしながらも、長内さんに続いて図書館内に集まった。そして、長内さんは大げさに探偵風のポーズを取り、ニヤリと笑って推理を開始した。
まず、長内さんは生徒たちに問いかけた。
「さて、まずは『その本がどこに消えたか』を大喜利で考えてみようじゃないか。どんな大胆な発想でもいいぞ!」
生徒の一人が手を挙げて答えた。
「その本は実は“本の国”に帰ったんじゃないですか?夜中になると、本たちが歩いて自分たちの故郷に戻るとか!」
長内さんは驚いたふりをして「なるほど!本には帰りたい場所があったのかもしれないな。それなら、今頃“本の国”で新しい友達と会話を楽しんでいるだろう」と返し、図書委員たちは笑いながらその場面を想像した。
次に別の生徒が言った。
「いや、実はその本は…図書館の中にある秘密の地下室に隠れているんじゃないでしょうか?ミステリー小説だから、自分もミステリーを楽しんでいるとか!」
長内さんは目を輝かせ、「おお、それは素晴らしい発想だ!図書館に秘密の地下室があるなら、俺もぜひ探検したいな!」と答え、生徒たちも「地下室があったら面白い!」と盛り上がった。
さらに別の生徒が面白いアイデアを出した。
「もしかして、その本は他の本たちに嫉妬されて、“人気者の呪い”をかけられたんじゃないですか?だから、他の本たちが力を合わせて隠してるのかも!」
長内さんは大きくうなずき、「人気者も大変だな!その本も図書館のスターであるがゆえの宿命だってわけか!」と笑い、周囲の生徒も「確かにそれっぽい!」と納得顔だった。
そんな大喜利大会が続く中、図書委員の一人が思い切って提案した。
「それなら、もしかしてその本は…ただの棚違いなんじゃないですか?」
一瞬の沈黙の後、長内さんが手を叩いて笑った。
「いや、それが真実ってのが一番あり得るけど、一番面白くないな!」
その言葉に生徒たちは大笑いしつつも、さっそく周囲の棚を一通り調べてみることにした。すると、人気の本は意外にも少し離れた棚の端に落ちているのが見つかったのだ。
本を見つけた図書委員たちは安心し、長内さんにお礼を言った。
「長内さん、ありがとうございます!大喜利探偵のおかげで楽しく探すことができました!」
長内さんはにっこりと微笑みながら、少し照れた様子で答えた。
「まあな、事件は解決したけど、楽しくみんなで考えるってのも大事なことだ。謎解きの本質はただの事実確認じゃなく、いかにそれを楽しむかだからな。」
こうして、図書館の「本消失事件」も無事に解決され、図書委員たちは長内さんのユニークな大喜利推理をますます頼りに感じるようになった。生徒たちは、彼と一緒にいるとどんな問題も楽しく解決できると信じるようになり、長内さんの「大喜利探偵」としての評判はますます広まっていったのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます