第3話 保健室での大騒動!健康診断も大喜利次第?
その日は、年に一度の健康診断の日。朝から生徒たちは保健室に集まり、身長や体重、視力などの検査を受けていた。しかし、待合の椅子に座っていると、どうしても緊張が高まる。体重測定が気になる生徒や、視力検査でドキドキする生徒も多く、教室中が少しピリピリした空気に包まれていた。
その時、保健室に現れたのは、例の清掃員・長内さん。彼はニヤリと笑いながら、保健室のドアを開けて中を覗き込んだ。
「どうしたどうした!みんながそんなに緊張するなんて、まるで戦場にでも来たみたいじゃないか?」
保健室の先生が苦笑しつつ長内さんに言う。
「長内さん、今日は健康診断ですから、生徒たちも少し緊張しているんです。できれば、少し静かにしていただけると…」
しかし、長内さんはお構いなしに手を挙げ、満面の笑みで叫んだ。
「それなら、俺の大喜利でリラックスさせてやる!皆、緊張なんて吹き飛ばしてしまえ!」
生徒たちは長内さんの言葉に驚きつつも、興味津々で彼の話を待つ。そんな中、ひとりの生徒が手を挙げて質問した。
「じゃあ、長内さん!もし体重が突然10キロ増えてたらどうしますか?」
長内さんは一瞬、考えるふりをして、軽く指を鳴らした。
「それは簡単さ。10キロ増えたら、すぐにこう言ってやる。『俺は今、成長期だ!』ってな。」
その返答に生徒たちが大爆笑し、保健室の緊張感が一気に和らいだ。次々に生徒からの質問が飛び出す。
「視力が急に下がったらどうしますか?」
長内さんは、しばらく考えてからニヤリと微笑み、答える。
「そしたら、こう言うさ。『俺の視界はいつも曇ってる。人生にミステリーが増えて楽しいだろう?』」
またしても笑いが巻き起こり、保健室の雰囲気が完全に変わった。保健の先生も思わず笑いながら、長内さんの大喜利に引き込まれていた。
さらに、大胆な質問が飛んでくる。
「もし身長が突然20センチ伸びたらどうするんですか?」
長内さんは大げさに背伸びをし、満足そうに胸を張って答えた。
「そしたら俺は、こう言って新しい人生を始めるさ。『俺は今からバスケ部のエースだ!』」
生徒たちの笑い声が保健室に響き渡り、もはや健康診断どころではない大騒ぎになっていた。しかし、不思議と緊張していた生徒たちは笑いによってリラックスし、自然な気持ちで健康診断を受けられるようになっていた。
保健の先生も最後に一言、冗談交じりに言った。
「長内さん、あなたの大喜利のおかげで、うちの健康診断は世界一ユニークなものになりましたね。」
長内さんは誇らしげにうなずき、笑みを浮かべながら答えた。
「いやいや、健康も笑いも大事なものさ。これからも俺の大喜利で皆の健康を守ってやる!」
こうして、健康診断の緊張感は長内さんの大喜利のおかげで解消された。生徒たちは、清掃員の長内さんがただの清掃員ではないことを改めて感じ、ますます彼に興味を持つようになっていった。
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