第7話 文化祭パニック!大喜利で出展を決定せよ
文化祭が近づき、生徒たちの間ではどんな出し物をするかの話題で持ちきりだった。各クラスがアイデアを出し合うものの、なかなか決まらない様子で、職員室でも生徒たちが討論しているのが聞こえてきた。
その様子を見ていた清掃員の長内さんは、面白そうだとばかりに近づいていった。生徒たちは長内さんに気付き、いつものように「大喜利で決めてもらおう!」と声を上げる。
「長内さん、文化祭の出し物が全然決まらないんです!大喜利でアイデアを出してもらえませんか?」
長内さんはニヤリと笑い、腕を組んでうなずいた。
「よし、文化祭の出し物を決めるために大喜利大会といこう!みんなで自由な発想をぶつけ合ってみろ!」
さっそくひとりの生徒が挙手して、提案を始める。
「えっと…『学校の七不思議』をテーマにしたお化け屋敷なんてどうですか?校内の変な場所にスポットライトを当てて、廊下をさまよう幽霊が案内するとか!」
長内さんはすぐさま「いいね!幽霊が実は先生だったとか、最後に校長先生がモンスターとして現れるなんてのもアリだな!」と笑い、教室が大盛り上がりになる。
次の生徒が興奮気味に手を挙げた。
「じゃあ、逆に『無人島サバイバル体験』とかどうですか?教室に砂や椰子の葉を置いて、サバイバルグッズも揃えて、みんなが脱出ゲームみたいに挑戦するんです!」
長内さんは驚いた顔で「おお、それは面白そうだな!じゃあ、出口には『帰りのバスは自分で作れ』って書いた看板を立てとこう!」と返し、またもや笑いが起こる。
さらに、別の生徒が奇抜な案を出した。
「私たちのクラスは『謎の料理大会』なんてどうでしょう?材料は当日まで分からなくて、みんなが予想できない料理を作って出すんです!」
長内さんは大きくうなずき、「いいじゃないか!その場で当てずっぽうで作った料理が“珍味”になるか“珍災”になるか、スリル満点だな!」と応じ、周囲の生徒も「楽しそう!」と賛同する。
最後に、ちょっとシャイな生徒が遠慮がちに提案をした。
「もしよかったら…『長内さんの大喜利トークショー』とかやったらみんな喜ぶんじゃないかなって…」
教室は一瞬静まり返ったが、すぐに「それいい!」と大きな歓声が上がる。長内さんは照れたように頭をかきながらも、満足そうに微笑んだ。
「おいおい、俺はただの清掃員だぞ。けど、みんなが望むなら、大喜利で文化祭をさらに盛り上げるのも悪くないな!」
結局、クラスごとにいろいろな大喜利アイデアが採用され、文化祭の出し物が次々に決まっていった。最終的には、「お化け屋敷」「無人島サバイバル」「謎の料理大会」、そして「長内さんの大喜利トークショー」というバラエティに富んだ企画が勢揃いすることに。
文化祭当日、生徒たちは自分たちで考えた出し物を楽しみ、長内さんのトークショーも大盛況だった。彼の大喜利は観客を笑いの渦に巻き込み、学校中の人気者としての地位を不動のものにした。
こうして、文化祭も大成功に終わり、生徒たちは長内さんのユーモアとアイデア力にますます惹かれていった。長内さんの存在は、ただの清掃員を超えて、学校のムードメーカーとなっていくのだった。
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