第12話 美術室の呪い?大喜利でアートの謎を解く
ある日、学校で不思議な噂が広まった。「美術室の絵が夜になると動き出す」というのだ。生徒たちはその噂を耳にするたびに恐怖と好奇心でざわつき始め、あっという間に「美術室の呪い」というテーマで大騒ぎとなった。
美術の先生も困惑しつつも「ただの噂に決まっている」と生徒たちに説明していたが、どうも生徒たちの興味は収まらない。そこで先生は一計を案じ、清掃員の長内さんにこの騒ぎの収束を頼むことにした。
美術室にやってきた長内さんは、部屋の中を見渡しながら、興味津々の表情を浮かべる生徒たちに微笑んで言った。
「ふむ、絵が夜になると動くって?それはなんとも面白い話じゃないか。さあ、大喜利でこの謎の“呪い”を解き明かしてみようじゃないか!」
生徒たちは「大喜利でどうやって呪いを解明するの?」と不思議に思いつつも、興味を持って集まり始めた。そして長内さんは、「美術室の絵が夜に動き出す理由」をみんなで大喜利的に考えてみようと提案した。
最初の生徒が手を挙げて、笑いながら答えた。
「きっと絵の中のキャラクターが『狭い額縁に飽きた』って、夜中に散歩に出かけるんじゃないですか?」
長内さんは「なるほど、絵の中も自由が必要だな!誰だってずっと同じポーズは疲れるってもんだ」と応じ、生徒たちも大笑いした。
次に、別の生徒が奇抜な発想を披露した。
「実は、この絵の中には画家さんが隠した“お宝”が眠っていて、それを見つけようとして絵が夜な夜な動き回るとか!」
長内さんは目を輝かせ、「おお、宝探しの絵か!その発想はロマンがあるな。じゃあ、この絵を探るために俺たちも探検隊を組まなきゃな!」と答え、生徒たちは「お宝なんてロマンチックだ!」と盛り上がった。
さらに、好奇心旺盛な生徒が不安げに答えた。
「もしかしたら…この絵の中に幽霊が住んでるとか?夜になると、その幽霊が動き出す…とか?」
長内さんはおどけて少し身震いをし、「怖いなぁ!でも幽霊も美術の世界で遊びたいんだろうな、きっと。もしかして、美術館に飽きた幽霊たちが引っ越してきたのかもな」と冗談を言い、生徒たちは「ありえそう!」とさらに想像を膨らませた。
その後、ある絵画に興味を持った生徒が「よし、夜の美術室に残って、本当に動くかどうか確かめてみよう!」と宣言すると、他の生徒たちも「私も!」「お化けとか見てみたい!」と興奮し始めた。
長内さんはそれを聞いて、少し落ち着くように手を挙げて言った。
「待て待て、みんな。もし本当に絵が動くなら、それは“アートの意思”ってやつだな。無理に見ようとせずに、その意思を尊重してやろうじゃないか。」
そして、長内さんは続けた。
「それに、アートっていうのは観る人の想像力が動くもんさ。絵が動いて見えるのは、君たちの心が豊かに動いている証拠かもしれない。だから、無理に確かめなくてもいいんじゃないか?」
生徒たちは少し考え込んだあと、長内さんの言葉に納得したようにうなずいた。
最終的に、「美術室の呪い」という騒動は長内さんのユーモアある解説によって収まり、みんな「絵の動きは自分たちの想像力によるもの」という考えに納得して満足した。
それ以来、絵が動く噂は「みんなの心が豊かになっているから」として語り継がれ、美術室は新たなスポットとして生徒たちに愛されるようになった。生徒たちは美術の授業や自由時間に絵を見ながら、それぞれが動き出すシーンを想像して楽しむようになったのだ。
こうして、「美術室の呪い」は長内さんの大喜利によって美しい想像の話として残ることになり、彼のユーモアは生徒たちにまた一つ楽しい思い出を提供することとなったのだった。
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