第11話 部活動の勧誘!大喜利で入部希望者を獲得せよ

春が訪れ、新学期が始まった学校では、新入生の入部勧誘活動が活発に行われていた。各部活が新入生の注目を集めようとポスターを貼り、廊下では部活動の先輩たちが熱心に勧誘している。しかし、運動部や文化部は強豪として有名だったが、どうしても目立たないマイナーな部活もあった。


その日、校内を掃除していた長内さんのもとに、部活動で人気が伸び悩んでいる生徒たちが集まり、困った様子で相談を始めた。


「長内さん、どうしても部員が集まらないんです。何かいい勧誘方法、ありませんか?」


長内さんはニヤリと笑い、腕を組んで生徒たちに言った。


「それなら、俺の大喜利で“必殺の勧誘方法”を考えてやる!目立たないなら、逆にそれを逆手に取ってみようじゃないか!」


こうして、長内さんの提案により「部活動勧誘大喜利大会」が始まることになった。各部活のユニークな勧誘方法を大喜利で考え、生徒たちが笑いながら勧誘案を出し合うことになった。


まずは「囲碁・将棋部」から


この部活は知的なイメージがある一方で、派手さには欠けるため、どうしても新入生の関心が集まらない。そこで、長内さんが問いかけた。


「さあ、囲碁・将棋部が新入生に興味を持ってもらうには、どんな勧誘が効果的だろう?」


ひとりの生徒が答えた。


「えっと…『囲碁を覚えれば、恋愛もチェックメイトできる!?』とか…」


長内さんは笑って、「いいね!まるで囲碁と将棋が恋愛必勝法みたいに聞こえるな!」と応じ、生徒たちも大笑い。これで興味を引けるかもしれないと、早速ポスターのデザインに取り掛かることになった。


次は「天文部」


天文部も人気が低く、新入生には「なんか難しそう」と敬遠されがちだった。そこで、長内さんが大喜利のテーマを設定する。


「じゃあ、天文部が新入生を引き寄せるための勧誘方法を考えてみよう!」


天文部の部長が手を挙げて言った。


「『星に願いを叶えてもらおう!』って言って、実は星座にいろんなポーズで願いをかける…とかどうですか?」


長内さんは感心して、「それは面白いな!夜空の下でみんなで星に向かってポーズを決める姿はなかなかシュールだ!」と応じ、周囲も大爆笑。これで天文部のロマンチックなイメージをアピールする作戦が決まった。


次に「化学実験部」


化学実験部は「理科が得意じゃないと入れない」と誤解されることが多く、勧誘に苦戦していた。長内さんはすぐに新しいテーマを出した。


「化学実験部が新入生の興味を引くには、どんな奇抜な勧誘がいいかな?」


ある生徒が楽しそうに提案した。


「『自分で花火を作れる!』とかどうですか?ただし、“作れるかは実験次第”みたいな…」


長内さんはその発想に大笑いし、「いいね!実験の結果がどう転ぶかわからないってところがまさに科学のロマンだ!」と応じ、化学実験部の生徒たちもさっそくキャッチコピーに採用することに。


最後に「文芸部」


文芸部は静かな活動がメインであるため、アピールが地味になりがちだった。長内さんは、大喜利テーマとして次の問いを投げかけた。


「文芸部が新入生にアピールするにはどうすればいい?」


ひとりの生徒が意気込んで答えた。


「『ここだけの秘密のストーリーを一緒に作ろう』って誘うとか!それで実は、部員たちがみんな変な設定のキャラになりきって劇をするんです!」


長内さんはうなずいて、「おお、それはミステリアスで引き込まれるな!文芸部がひとつの大きな謎のストーリーを作ってるみたいに見えるぞ!」と答え、生徒たちはそのアイデアを使ってポスターを作ることに決めた。


こうして、長内さんの大喜利カウンセリングで、マイナー部活たちは一風変わった、でも面白い勧誘方法を次々に思いついた。ポスターや勧誘のキャッチコピーも完成し、廊下に貼られたそれぞれのポスターは、校内でたちまち話題に。


数日後、新入生たちがそれぞれの部活に興味を持ち、囲碁・将棋部や天文部、化学実験部、文芸部など、普段あまり注目されない部活にも続々と入部希望者が集まったのだ。


長内さんはその様子を見て、嬉しそうに微笑んでいた。生徒たちは彼の大喜利を通じて「目立たない部活も、ユニークさで勝負できる」ことを学び、ますます彼の存在に感謝するようになっていった。


こうして、今年の新学期も長内さんのユーモアに満ちた学校生活が続いていくのであった。

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