第20話 遠足前夜!大喜利で計画を完璧にせよ
春の暖かい日差しの中、学校では明日に迫った遠足の準備で生徒たちが盛り上がっていた。行き先は近くの山にある自然公園。お弁当や遊び道具を持参することが決まっており、生徒たちは遠足で何をするか話し合いながらワクワクしていた。
しかし、一部の生徒たちが廊下の片隅で頭を抱えていた。リーダー役を任された田中くんが「どうすればみんなが楽しめる計画を立てられるんだろう…」と悩んでいたのだ。
そこに現れたのが清掃員の長内さん。生徒たちの様子を見て声をかけた。
「どうした、遠足を前にそんなに深刻な顔をして?」
田中くんは事情を説明し、「計画がどうしても堅苦しくなっちゃって…これじゃみんなが楽しくないかもしれません」と不安を打ち明けた。
長内さんはニヤリと笑い、腕を組んで言った。
「なるほど、計画を立てるのが難しいか。でも、楽しい遠足にしたいなら、俺の大喜利でアイデアを出してみようじゃないか!みんなの笑顔が見える計画を考えるぞ!」
こうして、「大喜利遠足計画会議」が始まった。
第一ラウンド:「遠足で絶対にやりたいことは?」
最初の生徒が手を挙げて言った。
「みんなで山頂で“お弁当交換会”をやる!自分のお弁当じゃないものを食べてみたい!」
長内さんは「それは面白いな!ただし、お弁当交換でサプライズが起きても怒らないことが条件だぞ」と笑い、生徒たちは「それいいね!」「自分のお弁当に自信ないけど面白そう!」と盛り上がった。
次の生徒が発言。
「じゃあ、山道を歩いてる途中で“動物のモノマネ大会”をやる!ウグイスの鳴き声とか、鹿の鳴き声とか!」
長内さんは拍手しながら「おお、それは自然公園にぴったりだな!誰が一番リアルな鳴き声を出せるか競争だ!」と応じ、生徒たちは「それ絶対やりたい!」と大爆笑。
さらに別の生徒が提案した。
「山頂で“即興コント大会”をやる!お題は『遠足あるある』とか!」
長内さんは目を輝かせ、「即興コントとは、なかなかレベルが高いな。でも、山頂で笑いを響かせたらきっと楽しいぞ!」と答え、生徒たちは「やってみたい!」と興奮した。
第二ラウンド:「遠足で絶対に避けたいハプニングは?」
次のテーマに移り、生徒たちが「避けたいこと」についてアイデアを出し合った。
ひとりの生徒が答えた。
「お弁当の中身が全部おにぎり!しかも具が全部“昆布”とか!」
長内さんは大笑いし、「昆布祭りか!でも、昆布好きが集まればそれはそれで盛り上がるかもしれないぞ」と返し、教室中が笑いに包まれた。
別の生徒が続けて発言。
「山道で誰かが『帰りたい…』って言い始める!」
長内さんは「おお、それはあるあるだな!そのときは全員で『帰り道はまだない!』って盛り上げるしかないな!」と冗談を言い、生徒たちは「それ絶対やりたい!」とまたもや笑いが広がった。
さらに別の生徒が提案した。
「山頂で写真を撮るときに、全員が変なポーズをして誰もまともに写らない!」
長内さんは「それはむしろ楽しい思い出になるな!後でその写真を見て、笑いが止まらなくなるぞ」と答え、生徒たちは「それもアリかも!」と納得。
計画完成
こうして、生徒たちの笑いとアイデアが詰まった遠足計画が完成した。「お弁当交換」「動物モノマネ大会」「即興コント」、さらに「みんなで変なポーズ写真を撮る」など、ユニークなアクティビティが盛り込まれたプランに、生徒たちは大満足だった。
遠足当日
遠足当日、生徒たちは山頂で大いに盛り上がり、お弁当交換会では「昆布だらけのお弁当」が現れたり、モノマネ大会では「鹿の鳴き声」が妙にリアルだったりと大爆笑の連続だった。
帰り道では全員で歌を歌いながら下山し、山頂で撮った変なポーズの写真は、後日クラス全員の間で大いに話題になった。
放課後、田中くんは長内さんに感謝を伝えた。
「長内さん、大喜利のおかげで最高の遠足になりました!こんなに楽しい思い出を作れたのは初めてです!」
長内さんは微笑みながら答えた。
「いい経験になっただろう?遠足も人生も、計画よりも“その場で楽しむ心”が大事なんだよ。また次も楽しんでいこうな!」
こうして、遠足前夜の不安も長内さんの大喜利で吹き飛び、生徒たちにとって最高の思い出が生まれたのだった。長内さんのユーモアは、学校中をますます明るくする存在として輝き続けていた。
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