第17話 お化け騒ぎと大喜利除霊

ある日、学校の廊下で「夜になると誰もいない教室から笑い声が聞こえる」という噂が生徒たちの間で広がり始めた。「もしかして幽霊じゃないの?」と怖がる生徒たちは次第にその教室を避けるようになり、先生たちも心配するようになった。


「幽霊なんているわけないけど、生徒たちが怖がって授業に集中できないのは困るなぁ…」


頭を悩ませていた先生が、清掃員の長内さんに相談することにした。事情を聞いた長内さんは、ニヤリと笑いながら答えた。


「ふむ、笑う幽霊か。そいつは陽気な奴だな!よし、俺の大喜利で幽霊を追い払ってやろうじゃないか。みんなで幽霊も笑い飛ばす除霊作戦をやってみよう!」


大喜利除霊作戦スタート


さっそく、幽霊が出ると噂の教室に生徒たちが集まり、長内さんの「大喜利除霊作戦」が始まった。長内さんは、まず幽霊の特徴をみんなで考えるように提案した。


「さて、この幽霊はどんなやつなんだろうな?みんな、想像してみてくれ!」


ひとりの生徒が手を挙げて答えた。


「きっと、漫才が好きな幽霊なんじゃないですか?だから夜中に笑い声を上げてるんだと思います!」


長内さんは笑いながら「おお、それはいいな!じゃあ、俺たちが漫才を見せたら、その幽霊は感動して成仏するかもな!」と返し、教室中が笑いに包まれた。


次に、別の生徒が提案した。


「幽霊は昔、この学校の大喜利大会で優勝したけど、もっと笑わせたくて未練が残ってるんじゃないですか?」


長内さんは感心しながら「それはすごい話だ!じゃあ、俺たちが今夜“幽霊も参加できる大喜利大会”を開けば解決するかもな!」と返し、生徒たちは「やってみたい!」と盛り上がった。


さらに、別の生徒が発言する。


「幽霊は実はシャイで、誰かと話したいけど緊張して笑ってるだけかも…?」


長内さんは微笑んで「おお、それなら俺たちがもっとフレンドリーに話しかければ、幽霊も友達になりたくて出てきてくれるかもしれないな!」と答え、生徒たちは「幽霊の友達って面白い!」とさらに笑いが広がった。


幽霊との対決(?)


その夜、長内さんと生徒たちは「幽霊大喜利大会」を実施するために噂の教室に集まった。部屋の電気をつけ、机の上にはホワイトボードを置いて準備万端。長内さんが大きな声で言った。


「さあ、幽霊さん!これが君のための大喜利大会だ!俺たちの答えに乗っかって、どんどん笑ってくれ!」


最初のお題は「幽霊が一番得意なスポーツは?」。


ひとりの生徒が即座に答えた。


「バレーボール!だって、ネットを越えるの得意そう!」


これには教室中が大笑い。長内さんも「それは最高だ!幽霊のスパイクはきっと誰も止められないな!」と応じた。


次のお題は「幽霊が一番嫌いな食べ物は?」。


別の生徒が自信満々に答えた。


「お肉!だって、幽霊には“肉”がないから!」


これにもみんなが笑い転げ、「確かに幽霊はヘルシーな食生活だな!」と長内さんがコメントしてさらに場が盛り上がった。


すると、不思議なことに、教室の窓がカタカタと揺れ始めた。生徒たちは「本当に幽霊が来たのかも!」と一瞬緊張したが、長内さんは全く動じず、笑顔で声を上げた。


「おい、幽霊さん!今夜の優勝者を決めてくれよ!それとも、君が最後のお題に挑戦するか?」


その瞬間、カタカタという音がピタリと止まり、教室には静寂が戻った。


謎が解けた


翌日、学校の管理人さんが教室の窓を確認したところ、古い窓枠が緩んで風で揺れていただけだと判明。夜中に聞こえた笑い声も、実は近くの教室で部活をしていた生徒たちの声が響いていたことが分かった。


生徒たちは「なんだ、幽霊じゃなかったのか」と少しがっかりしながらも、長内さんの大喜利大会でたくさん笑えたことに大満足していた。


長内さんは最後にこう言った。


「幽霊なんていなくても、みんなの想像力があれば、どんな謎も楽しく解決できるもんさ。それが大喜利の力だ!」


生徒たちは拍手を送り、幽霊騒ぎも笑いの思い出として語り継がれることになった。


こうして、「笑う幽霊騒ぎ」は長内さんの大喜利で解決され、生徒たちの間にまた一つ楽しいエピソードが加わったのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る