第9話 ゼロの初配信
「どーも、皆こんにちは、今日は初配信やってくよ」
:ノリ軽くて草
:来たーーーーー
:これが光龍ギルド最強ゼロか……いや若
:マジでそれネットで見たけど穂乃花ちゃんとクラスメイトらしいよ
:↑は?てことは高校一年生って事?
:あり得ないだろそれ……
:え?それガチ情報なん?
そう言えば穂乃花が同じ学校の生徒達が情報を漏らしまくってるって言ってたな。
まぁ、規制してる訳でも無いから当然と言えば当然だけど。
「あー、えっとそうだね。一応高校一年生やってるよ」
:高校一年生でSランクとかアリ?
:普通にあり得ないって……海外でも前例無いぞ。
:確か世界で一番若くSランクになったのが21歳だったよな。
:↑そう。それで滅茶苦茶騒がれた。
:皆忘れてるけど一年前にエンペラードラゴン倒してるんだぞ?
:確かにそうじゃん……て事はその時からSランクって事か?
エンペラードラゴンの討伐は隠したから実績に入って無いんだよな。
「えっと一応Sランクになったのは半年前だね」
:それでもスゲーよ……
:てかエンペラードラゴンって誰と一緒に倒したの?やっぱり両親と?
:確かにそれめっちゃ気になる。
:一年前なら光龍ギルドにSランクはギルドマスターしかいないしね。
:確か久遠さんがAAランクで副ギルドマスターがAAAランク冒険者だったよね。
んー、流石にソロ討伐のカミングアウトはマズいよな……
少し濁して答えるか……あーでもそれをしたら不正を疑われたりするのかな?
まぁどう思われても気にしないし適当に流すか。
「あー、エンペラードラゴンについては余り話せないけど俺が倒したって事は事実だね」
:やっぱりそうだよね
:言えないって事は何か理由があるのかな?
:ちょっと怪しくなって来たけど……
:まぁ、だとしても実力は本物でしょ?
:エンペラードラゴンとオークロードじゃあ話が全く違うけどね。
:どうでも良くね?それより今日の配信楽しもうよ?
:↑それな、実力は今後ちゃんと分かるでしょ、今ごちゃごちゃ言う必要全くない。
:それよりも今日は何をするの?
:確かに!早く戦ってる所みたい!
「んー、実は今日何しようか迷ったんだよね、でも普通にモンスター倒しても味気ないかなって思ったから深層以降の美味しいモンスターを紹介しよっかなって思ってる」
:美味しいモンスター?
:深層以降のモンスターで美味しいモンスター居るの?
:↑深層でも最序盤のモンスターだけどキングエレファントはかなり美味しいって有名。
:キングエレファントって滅茶苦茶高いよね。
:↑そりゃそうだよ、深層モンスターが手軽に食べれる訳ない。
「そうだね、確かにキングエレファントは美味しいけど、あれは個体数が少ないからなかなかエンカウントしないんだよね、それに今日はもっと深い所のモンスターだよ」
:いや分からんよwww深層の深い所って何だよ
:↑55階以降は一応深層扱い、ちなキングエレファントは55階で出て来る。
:もう俺達には分からん次元よ。
:何が出るのかちょっと楽しみ……まぁ、俺達が食べれる事は無いんだろうけど。
:てか、穂乃花ちゃんとどういう関係なん?
:↑急に現れてくんなよ。
:いや俺も知りたい。
:俺もガチ恋では無いけど気になる。
:こういうのって一人出て来ると便乗してどんどんくるよな……
まぁ、この質問は絶対に来ると思ってたよ。
穂乃花にも絶対に来るから本当の事言って良いよって言われてたしな。
「そうだな、穂乃花とは同じクラスの友達だね」
:穂乃花呼びマ?
:前の配信では名前じゃ無かったけど……
:いや、いいでしょ別に、例え深い関係だとしてもお前らのでる幕じゃねーよ。それより早く戦ってる所みたい。
:↑それな、普通に穂乃花ちゃんガチ恋勢は帰って貰って。
これはさっさと潜った方が良さそうだな。
「まぁ、そんな訳で転送陣を使って早速潜って行くね」
:何階層だろうか……
:深層配信する人はAランク冒険者以上だけだからそこまで多く無いよな?
:てか日本のSランク冒険者で配信する人今は居なくね?
:↑一人だけいるぞ?でも自由人で有名だから前回配信は半年前。
:あれはえぐいよね、派手だから海外人気も凄い。
:それで何階層に行くの?
「今日の獲物は65階層だね」
:65階層!?
:久遠さんでも65階層は無理だよね?
:↑当たり前、AAAランク冒険者とSランク冒険者じゃ話が全く違うわ。
:久遠さんは限りなくSランクに近いAAAランクだぞ?
:エンペラードラゴン倒してんだぞ?皆ゼロ天使を過小評価してないか?
「じゃあ行くね」
――俺は転送陣を使用して65階層まで来た。
「じゃあ、目的のモンスターを見つけるまで飛んでぶらぶらするね」
俺はそう言って"天使の翼"で移動を始めた。
:でた!綺麗な羽!
:いつみても凄いな。
:直接見てみたい。
:てか、結局その羽って何なん?
「この羽は俺のスキルで"双極の翼"でこれは二形態あるうちの一つで"天使の翼"だね」
:ガチで天使なんだwww
:二形態って事はもう一つあるの?
:もう一つの形態見たい!!!
「あー、まぁじゃあ見せるね」
俺はそう言って"天使の翼"から"堕天使の翼"に変更した。
「まぁ、こんな感じだけど色が変わるんだよね、因みにこれは"堕天使の翼"だよ」
:うわ!カッコよ……
:マジでカッコよさ増したな……
:堕天使www
:白も黒も滅茶苦茶似合ってる!!!
:それって飛べるだけなの?
「効果としては簡単に言うと、"天使の翼"はスピードタイプでリジェネ効果もある"堕天使の翼"はパワータイプかな?あと防御力も上がるね。俺的には"天使の翼"の方が圧倒的に使いやすいけどね」
:これってゼロ天使で良いのかwww堕天使でもあるじゃんwww
:良いでしょ、堕天使も天使も変わらんよ、知らんけど。
:ゼロ天使は語呂が良いし変える必要ない。
:あっ白に戻った!俺はやっぱこっちの方が好きやわ。
:黒もカッコいいけど白はマジで美しい……
俺がコメントを見ていると前方方向にエレファントキマイラが出て来た。
「初モンスター来たね」
:え?何あの明らかにヤバいモンスターは……
:見た目は明らかにキマイラだけど……デカすぎる。
:65階層何てほ配信されて無いし分からんでしょ。
:取りあえず強そうってのは分かる。
「えっと、あれはエレファントキマイラだね、たいして強く無いよ」
:エレファントキマイラ……
:強くないは草
:基準が自分なんだね……まぁ、そうなるか。
「あれは目的じゃないからパパっと終わらせるね」
俺はそう言ってエレファントキマイラに正面突破を図った。
エレファントキマイラの七本ある蛇顔の尻尾が俺に向かって来る。
エレファントキマイラの蛇顔の尻尾は超猛毒を持っていて動きが速い。
まぁ、普通の人からしたらね……"天使の翼"を発動している俺からしたらノロノロに感じるレベルだ。
迫りくる蛇顔の尻尾を一つずつ余裕を持ってよけながら、それと同時に一つずつ丁寧に切り落としていく。
「びゃおぉぉぉぉー」
尻尾を全て切り落とされたエレファントキマイラは苦痛の叫びをあげた。
エレファントキマイラは尻尾切り落とせさえすれば攻撃力は激減、顔を守る尻尾もないので簡単に顔を落とせる。
この状況まで持って来れれば勝ったも同然。
「それじゃ、止めを差すね」
俺はそう言って止めとしてエレファントキマイラ本体の顔を軽く切り落とした。
「んじゃ、先に進むね」
:…………
:はい?
:エレファントキマイラって弱いん?
:↑な訳ないだろ……65階だぞ……
:65階層って分かっててもこれは弱く見えるよ……
:これは感覚狂うなwww
:もはやドロップアイテムの確認すらしないじゃん……
:確かに……勿体ない。
「いや、エレファントキマイラはドロップアイテム無いんだよね、今まで落ちた事ない。まぁ、運が悪いだけの可能性は拭えないけどね、素材もたいして価値ないし正直相手にしても無駄なモンスターだね」
俺はそう言いつつ目当てのモンスターを探す為に再び羽を動かした。
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