第22話 雪先輩と配信

「それじゃあ雪先輩?始めますよ」

「そうね。始めましょう龍星」


 そうかけあって俺は配信を始める事にした。


「えっと。皆こんにちは。今日は告知したように久しぶりに配信するよ」


:久しぶり!ゼロ!!!

:神久を潰してくれてありがとう!!!

:今日は神久についての配信なんだよね?


「そうだね。ダンジョン配信を楽しみにしてくれていた人には申し訳ないけど今日は見ての通りギルドから配信してるよ」


:大丈夫!神久について気になる事もいっぱいだしね!

:ダンジョン配信をもっと見たい!!!

:ていうか神久って本当にあそこまで屑だったの?噂には聞いてたけど。

:↑警察までってのは流石に引いた……てか警察を信用出来なくなったわ。


「そうだね。取り敢えずダンジョン配信は近いうちにしようかなって思ってるから今は待っててね。後今日は基本的に質問には答えるつもりでいるけど一応ゲストがいるよ。でも警察の件はNGでお願いね。そこについては俺達も変な事言えないからね」


:ゲスト?

:誰だ?

:今回の件に関係ある人だよね流石に?

:まぁ、警察はね……

:警察は触れずらい話題ではあるよねw


「今回の件には深く関係してるね。それに神久家って本当に情報隠ぺいが上手くてその人が居なかったら神久の悪事をここまで簡単に暴くのはまず無理だったかもね」


:マジ?光龍ギルドでもそのレベルって事なの?神久って流石にデカいだけあるんだな……

:まぁ、警察が関与している位だからね……

:ていうかマジで誰だ?


「まぁ、実際にカメラに入って貰った方が早いね」


 俺はそう言って雪先輩に対して目線で合図を送った。


「皆さん初めまして。知ってる人も居ると思いますが私は瀬戸宮雪と言います」


:瀬戸宮雪って誰だ?滅茶苦茶美人だけど?

:瀬戸宮雪!?

:そう言えば同じ学校なのか!!!

:↑そうなん?

:でも神久和樹の幼馴染でしょ?どうなってんだ???


「そうだね。同じ学校だしそれ以外にも説明しないといけない事はありそうだね。でも先に言っておくと雪先輩は凄く良い人で決して神久和樹みたいな人じゃ無いからねって事だけは言っておくね」


:名前くらいしか聞いた事はないけどそうなの?それならなんで神久和樹と一緒に居たんだ?

:瀬戸宮雪は良い人で有名ではあるよ。

:配信ではいつもクールだから良く分からないけど、ピンチの冒険者で助けられた人は結構いるよ


「まぁ、そこら辺も含めて雪先輩の方から説明してもらうために今日は一緒に配信してるから雪先輩に説明してもらうよ。それじゃあ雪先輩お願いします」

「はい。それじゃあ私と神久和樹との関係から話していきます……」


 そうして雪先輩は神久との関係性を包み隠さずに話した。

 その間俺も俺で出来る補足を入れつつ話が進んで行った。


:それじゃあ何年もずっと我慢してたって事?

:ヤバくないそれ?

:雪さんめっちゃ可愛そうじゃん……雪さんの両親もだけど

:それなら納得だわ……噂の多い神久と良い人って有名な瀬戸宮雪が一緒に居るの何でなんだろうって思っていた事あったし。

:ていうかマジで神久ってクソじゃん。一体どれだけの人の人生を狂わせてきたんだよ。

:↑それな……本当に潰れてくれて良かった。

:本当にゼロと瀬戸宮さんに感謝しないとだよな。

:今回の件で被害者の人たちも勇気を出して被害届を沢山の人が出したらしいし立ち直るきっかけになったんじゃないかな?


「そうだと良いけどね。ちなみに光龍ギルドと雪先輩が手を組んだ理由は前にちらっとネット記事にもなってたけど、実は俺も神久和樹に勧誘されて脅されてたんだよね。まぁ、余裕はあったから問題は無かったけどね。その時に雪先輩が声をかけてくれてって感じだね」


:その記事見た気がする!!でもあくまで噂程度の書き方されていたけど本当だったんだ。

:そんな事があったのか……てか神久ってあほだろ。

:↑本当にね。どう考えても光龍ギルド、しかもSランク冒険者に脅しはあほすぎるwww


「それで実は光龍ギルドでも神久相手だと意外と手こずりそうだったんだけど雪先輩がさっき言ったみたいに情報を持っていたから簡単に事が運んだって訳だね」

「そうですね。私もホワイトギルドだけだと情報を持っていても手詰まりだったので龍星と光龍ギルドには本当に感謝しています。私達を長年の苦しみから救ってくれたので」

「そこはお互い様ですね。光龍ギルドの方も凄く助けられましたからね」


:本当にお疲れ様雪さん……

:今日から雪さんの事も応援します。本当にお疲れ様でした

:マジで何年も神久和樹から自分の手駒の様に扱われてきたんでしょ?良くそれで人助け出来てたな……本当に凄いわ。

:↑本当にそれは思う。

:こんな可愛いのに性格まで良いとか反則じゃね?

:まぁ、瀬戸宮雪はそれこそ最近有名な笹木穂乃花よりも有名だしね。勿論神久の事もあってだけど……

:てか雪さんは可愛いと言うよりかは綺麗の方が正しいんじゃね。

:思ったんだけどさ……雪さんとゼロって名前で呼び合ってるし随分親しそうだけどどういう関係?もしかして……

:↑それは気になる。確かにただの先輩後輩って感じじゃないよね

:瀬戸宮雪は悪評の多い神久和樹と一緒に居たせいでガチ恋勢がそこまで多く無いから比較的声が少ないけど、あそこまで美女だとそう思っちゃう人がいてもおかしくないよね。

;↑その上今回でそれも払拭された訳だし尚更だよね


 穂乃花の時もそうだったが今回もか……

 まぁ、男子と女子ってだけでそうなっちゃうもんなのかな?

 俺はそこまで配信を見ないから分からないけど。


 俺がそんな事を思っていたら雪先輩この手の質問に慣れているのか冷静に返答した。


「今は私と龍星の関係は皆が思っている様な物ではないですよ。でも私は龍星の事は気に入ってますしこれからも一緒には居たいとは思っていますね。これからは自由に生きれる訳ですから」

「それとまだ少し先の事になりますが光龍ギルドとホワイトギルドはパートナーギルド契約を結ぶことにもなっていますからね」


:パートナーギルド契約ってマジか

:ホワイトギルドラッキー過ぎるだろ

:ホワイトギルドもこれから注目浴び始めるなこれ

:雪さんの話初めの今はが凄く気になるけどいいや……それよりパートナーギルド契約が衝撃的過ぎる。


「まぁ、今日の配信はこのくらいで終わろうかな。伝えたい事は全部伝えたし、ホワイトギルドが被害者って事も皆分かってくれたとおもうしね」


:それは伝わった。

:神久と仲が良いから正直ホワイトギルドも悪いギルドだと思っていたけど知れて良かったわ

:↑確かにそう思ってる人は多そう。

:なんなら一番の被害者まであったね。雪さんもホワイトギルドも皆も報われて欲しい。


「私からも一言言わせて下さい。今までホワイトギルドに入って被害にあった人は本当に申し訳ございませんでした。私達の力が及ばずに守れ切れなかった事を深くお詫び申し上げます。改めてホワイトギルドの方に言ってくれれば出来るだけのお詫びをしたいと思うのでよろしくお願いします」


 これは元々ホワイトギルド、雪さんとご両親で決めていた事らしい。

 勿論その件でも光龍ギルドからの支援すると提案したが、そこはけじめとして要らないと言われたのでそこには関与しない事にしているが何かあれば頼る約束をしている。


:いやいや、ホワイトギルドは被害でしょ!

:そうだよ。神久が相手だと仕方ないよ。寧ろあそこまで証拠を集めた事が凄いよ!

:ホワイトギルドの事も応援してるので頑張って下さい。

:そうそう悪いのは神久であってホワイトギルドじゃないよ!!!

:ホワイトギルドも雪さんもこれから応援していくので頑張って下さい!!!!!


「それじゃあこれで配信を終わるよ。次回はいつになるか分からないけど近いうちにダンジョン配信をするので楽しみにしていてね」

「今日はありがとうございました」


:お疲れ様

:次回も楽しみにしています

:雪さんも頑張って下さい。配信をしていたら見に行きます

:二人ともお疲れ様です

:2人共これからも頑張ってください

:お疲れ様でした


 そうして俺と雪先輩は配信を終えた。

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