概要
田畑が広がるところに、小さな戸建ての家があった。そこで、三姉妹が暮らしていた。長女で剣士の春と、空手家で次女の夏、そして、寺子屋通いの三女、雪が暮らしていた。両親が出張中で、生活費のために十五の夏は和菓子屋でアルバイトをしていたが、両親から受け取った貯金も、自分で貯めてきた分も、底をつき始めていた。二十歳の春も働こうと考えていたが、自身の剣の腕前を町中に知られて、人気者になっていたため、あまり町には出たがらなかった。
だがある日、町へくり出していた春の元に、求人広告が降りてきた。それを拾ってみると、勤務先はからくり工場、年齢不問で正社員を目指すことができ、給与は月二十万と記されていた。さっそく夏と雪とともに、面接へ向かった。からくり工場は巨大な大門と塀に囲まれていて、面接官である社長が十九
だがある日、町へくり出していた春の元に、求人広告が降りてきた。それを拾ってみると、勤務先はからくり工場、年齢不問で正社員を目指すことができ、給与は月二十万と記されていた。さっそく夏と雪とともに、面接へ向かった。からくり工場は巨大な大門と塀に囲まれていて、面接官である社長が十九