幽世の番人

【結末までのネタバレを含みます】

人が住む現世と妖が住む幽世がある。現世と幽世は一つの扉によって繋がっている。

優しい心を持つ半妖の青年・狐井絃は、幽世と現世を繋ぐ扉を守る閂様。式神の黒狐の月人、守護獣のろいろとともに幽世で生活している。

ある日を境に、幽世で妖の狂暴化が起き始める。狂暴化した妖には自我を失い、赤い目となり暴れていく。妖の狂暴化と比例するように本来はごく珍しい幽世への迷い人が増加していく。明らかな異変に絃は、情報網に詳しい酒呑童子の八尋、茨木童子の海里に情報を求めた。

そんな中、烏天狗の黒人が幽世にやってきた。黒人は、人間の娘・花立なずなと恋に落ちその悩みを絃に相談しに来たのだった。絃は、黒人に人と共に生きる覚悟はあるかと忠告した。その忠告を胸に黒人は、なずなと恋仲に…続きを読む