概要
龍神池に沈んだ結婚指輪の行方
美しい珊瑚礁の島へ帰郷した傷心の私はおばぁが認知症で徘徊していることを知る。おばぁの目的は龍神池に沈んだ結婚指輪を探すことだ。
私は幼馴染みの和真とともに龍神池に指輪を探しに行く約束をする。台風到来のため、約束は叶わず、私はおばぁに自分の婚約指輪を偽って託した。島での最終日に龍神池に潜り、私は美しい世界を体験して前向きに生きることを決意する。
地方文学賞一次選考通過・ステキブンゲイ大賞二次選考通過作品
私は幼馴染みの和真とともに龍神池に指輪を探しに行く約束をする。台風到来のため、約束は叶わず、私はおばぁに自分の婚約指輪を偽って託した。島での最終日に龍神池に潜り、私は美しい世界を体験して前向きに生きることを決意する。
地方文学賞一次選考通過・ステキブンゲイ大賞二次選考通過作品
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!二つの指環を巡る、美しくしずかな、再生の物語
【あらすじ】
傷心を抱えて帰郷した真帆は、祖母がかつて無くしたという結婚指輪を探そうと思い立つが……?
【おすすめポイント】
この物語の素敵なポイントは、挙げようと思うと、沢山有るのですが、全編で一万五千字程の物語であるという事を鑑み、ぐぐっとポイントを絞ってご紹介します。
(1)真帆の繊細な心の揺れ動き
本作は主人公「真帆」の一人称視点で語られています。彼女の心の動きが、祖母や幼馴染みとのやり取り、ダイビングでの経験を通して、現実と向き合う気力を恢復していくという流れが鮮やかです。
(2)美しい情景描写
これは、もう言葉で説明するよりも実際に読んで、是非ゆっくりと味わっていただき…続きを読む - ★★★ Excellent!!!恋愛だけじゃなく。生きるのに疲れた人に届いてほしい
まるで、短編映画を観ているようなクオリティの物語です。
また情景描写のなんと美しいことでしょう!
タイトルにある「青の円環」を、読んで感じて、確かめていただきたいです。
島で生まれ育ち都会で働く主人公。
恋人とは、大人だからこそ当人同士ではなく家族のしがらみで関係に綻びが生じていました。
疲れ果てた主人公は島に帰省し、認知症の疑いのある祖母や、幼馴染との交流によって、己自身を見つめ直します。
ラストシーンは爽やかで、とても心地よい読後感を得られました。
恋愛ジャンルにとどまらず、ヒューマンドラマ好きな方にも、読んでいただきたい物語です。