二つの指環を巡る、美しくしずかな、再生の物語

  • ★★★ Excellent!!!

【あらすじ】
傷心を抱えて帰郷した真帆は、祖母がかつて亡くしたという結婚指輪を探そうと思い立つが……?

【おすすめポイント】
この物語の素敵なポイントは、挙げようと思うと、沢山有るのですが、全編で一万五千字程の物語であるという事を鑑み、ぐぐっとポイントを絞ってご紹介します。

(1)真帆の繊細な心の揺れ動き
 本作は主人公「真帆」の一人称視点で語られています。彼女の心の動きが、祖母や幼馴染みとのやり取り、ダイビングでの経験を通して、現実と向き合う気力を恢復していくという流れが鮮やかです。

(2)美しい情景描写
 これは、もう言葉で説明するよりも実際に読んで、是非ゆっくりと味わっていただきたいポイントです。個人的には、「青」という色彩と、「サトウキビ」の描写が特に印象的です。

(3)「おばぁ」の不思議な魅力
 主人公の祖母である「おばぁ」は、主人公がダイビングをしてみようというきっかけとなる人物。一見、普通のおばあちゃんなのですが、不思議と心惹かれる魅力があるのです。それは、主人公が「おばぁ」に注ぐ眼差しがなせるものかもしれません。

【こんな時に】
☑日常に疲れてしまった時に
☑じっくりと読書を楽しみたい時に

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