超面白いです。
歴史ものを苦手な方、安心してください。そんなものは不要です。
作者に歴史知識があるのは文章で伺えますが、全てライトな文体で進み、知識なしで読めます。
歴史ものによくある固さも無し!
そして主人公は、紫式部なのですが、もはや執筆の物の怪です。明らかに陰の者です。
執筆意外に興味が無く、その為ならあらゆる手段(物理も)を行使します。
その姿が非常に面白い。
善悪の概念や道徳など、この紫式部は母体に置き忘れて生まれてきたのでしょう。
もはや滅茶苦茶で、笑いが止まりません。
その奇行に、「おい! 誰か安倍晴明を呼んで払ってもらえ!」と言いたくなりました。
これぞ歴史コメディのライトノベルです!
読書好きは、絶対に読まなきゃ損です!
根暗だけど、いざとなればガッツがあり強引な、少女ゆかり。
男まさりで頭がよく、文章の恐ろしく上手い、ゆかり。
「男に生まれればよかったのに」と言われてしまう、ゆかり。
後の、紫式部です。
そんなゆかり、こと、紫式部のとっても笑える成り上がり一代記。
美しい十二単に墨をはね散らかし、ネタのためなら暴力もいとわず、執筆に情熱をかたむけた、紫式部。
物書きとしてこの姿勢は見習わなくてはならないし、彼女のヒット作『源氏物語』にあやかりたいですよねっ。
地獄の根暗の笑いを浮かべながら、陰謀家の道長と二人三脚で時代を生き抜く紫式部に、ぜひエールを送りましょう!
平安時代の才女の筆頭といえば、紫式部を
思い浮かべる者は多いだろう。
かの、有名な【源氏物語】の筆者にして
『女房三十六歌仙』にも選ばれる程の
女流歌人として人気を博していた、彼女の
……真実の姿が!まさに今、ここに!!
もう、初っ端から笑う。
但し、物語の骨子は史実に基づいて、何ら
おかしな事はない。その筈なのに、何故か
笑わされてしまう。そして、ハマる!
平安宮中の雅やかな様子や人間模様、
作家『紫式部』としての執筆の苦悩などが
細やかに、そしてわかりやすく描かれる
この作品は、様々な世の憂いを一喝、笑い
飛ばす様な彼女の強かさと賢明さが余す所
なく描かれている。
誰か世に ながらへて見る 書きとめし
跡は消えせぬ 形見なれども
この作品を読んだら、きっとアナタも
紫式部の『ファン』になる事、請け合い!