朱と白と筒井筒

　主人公のユキは村の養育院で教師として働いている。

　ある日、”魔聖”の称号をもつ大魔法使いが村にやって来たことでユキの平穏な日々は終わりを告げた。
　広場での歓迎式の真っ最中、魔聖さまはユキをひと目見るなり目の前で跪いてプロポーズを始めたのだ。

　相手は国の英雄だ。突然の事におもわずお断りをしたユキだったが、魔聖さまは諦めない。

　隙あらば重ねられる男前からのアプローチにぐらつくユキは、記憶の中にある魔聖さまとそっくりな男の子、遥か昔に死んでしまったはずの幼なじみを思い胸を痛めるのであった。

　しかし、その死んでしまった幼なじみを知る村の者や母親は、二人が全然似ていないと言う。ユキからしたらどうみてもそっくりなのに、なぜ――――

　その理由が明らかになったとき、ただの村娘だったは…続きを読む