第3章 姉

私は姉が大好きで、恋愛の話しや、怖い話し映画の話とかある意味一方的に姉に語っていた。

そんな私の話しを嫌な顔する事なく聞いてくれていた。

そんな聞き役の姉が私に衝撃的な事を語った事があった


子供の頃とても怖かった思い出がある。

と、姉は切り出した。


姉『あんたが、小さい時にお母様と夜遅い時間だと思うけど、ある家に尋ねた事があるわけ』


*因みに私達は、母親の事をお母様と呼んでいた。


私『それで?』


姉『お母様は、左手で私の手を繋いで右手には、何と包丁を握りしめていたわけよ。』



私『嘘だろ?』

『一体何があったの?』


姉が言うにはその尋ねた家は、父親の家だったらしい…


父親の家⁉️


そう、みなさんお察しかと思うが、父親は本妻がいて普通に暮らしていたのだ!

要するに私は愛人の子供だったのだ。

母親は、恐らく騙されていたのではないか?


これは私の憶測だが父親を殺害後、無理心中をしようとしたのではないのか?


だから、姉も一緒に連れていったのでは無いのか?


姉も子供の頃だし、はっきりと覚えて無いらしくそれ以上の事は語らなかった。


もしかしたら話さないだけかもしれないが.今更聞くに聞けないでいる。


あの時、もし姉が亡くなっていたら今の自分は無かったとつくづく思う。


そこでどんな事があり、どんな話しがあったのか?


今では闇の中…


兎にも角にも、その時の姉は無事だし、警察沙汰になった話も聞いていないので何かしら解決したのだと私は信じたい。


その後、弟が産まれているので本妻のいる状態で母親と繋がっていたのは確かだ。


弟が亡くなった後、バス会社からの保険金を貰ったようだった。


父親は、母親を説得し保険金の一部を受け取り海外へ行く為の資金にしたらしい。

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