概要
僕の妹がゴキブリなら、あなたの孫だってゴキブリだ
ある小国の休日。身分を隠して孫と遊園地を訪れていたアロガンは、突然の事故に巻き込まれる。
負傷した孫を必死で隣国の大学病院へ運び込むが、そこで出会った医師は思いがけない人物だった──。
不条理とその先にあるもの。
2話完結。
負傷した孫を必死で隣国の大学病院へ運び込むが、そこで出会った医師は思いがけない人物だった──。
不条理とその先にあるもの。
2話完結。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!理性ある人間としての復讐の仕方
民族を大量虐殺された医師クレマンと、民族浄化を主導した元国家主席アロガンの物語です。
6千字に満たない作品ながら、深く考えさせられます。
感心するのは、シリアスなテーマと残酷な世界観であるにもかかわらず、読後感が重たくないこと。希望ある未来を望んでいる作者様の心のあらわれだと思います。
作品の中でクレマンの、
「医者である前に人間なのか、人間である前に医者であるべきなのか。あなたはどうですか。政治家である前に人間でしたか?」
というセリフがあります。
私たちは大なり小なり、腹の立つ相手というものがいるものです。
特に、精神を病むぐらいに嫌なことをされた相手には強い憎しみを持ちます。
もし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!傑作の誕生
かつてアロガンが国家主席として、ナバク人を撲滅させるべく行った軍事作戦により、心臓外科医クレマンの家族は惨殺された。
今はレジャー施設など、きれいに整えられた土地の下には何万人もの死体が埋まっており、まさにそこで、アロガンの孫は爆発事故に巻き込まれ、クレマンの元に運ばれた。アロガンはクレマンの前に膝をついて懇願する。
「孫を助けてくれ!」
クレマンはアロガンの孫の手術をしなければならない。が、復讐として、それを拒否することだってできる。果たしてクレマンはどうするのか?
無駄のない、考え抜かれた構成で読む者に息もつかせぬ展開を突きつける、まさに傑作の名にふさわしい作品がここに誕生した。