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コメント失礼します。
とても心打たれる作品でした。
老人と医師、それぞれの心情がとても丁寧に描写されていて、震えました。
どこがどうとはうまく言えないのですが、手塚治虫の架空戦記もの似ている気がしました。理由はうまく説明できないのですが、きっと老人と医師の対立構造がブラックジャックと似ていたことも起因すると思います。
1万文字未満と短い文字数ながらとても充実した物語でした。
とても良い物語をありがとうございました!!
作者からの返信
名無之権兵衛さま、お越しくださりありがとうございます。なんとも嬉しいコメントを頂き、感激です。
丁寧にお読みくださったのが伝わります。
手塚治虫の作品をイメージして下さったのですね。光栄です。実はブラックジャックのいくつかのエピソードをヒントに自分なりに膨らましたもので、書いているときにずっと頭の中にあったもので。
どこまで書けているかというのはやはり不安なので、あたたかいご感想と沢山の星を頂戴し、とても励みになりました。
こちらこそありがとうございました!m(__)m
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拝読させていただきました。
ものすごく重厚なテーマの作品で正座するような心構えで読ませていただきました。
医師であることを選んだクレマンではありますが、仇敵を前に一言発せずにはいられなかったんだろうなあ。
けれども、声にせずともいつもこの怒りを持って過ごしているのだろうと思うと、紛争というのは本当に……。
アロガンは物語の中のキャラクターとしてはどうしようもない悪人ではあるのですが、なぜか憎めない。
たぶんこういう一面が自分にもどこか潜んでいることがわかるからなんだろうなぁ。
そういった読み方をしていたので、アロガンが最後に踏みとどまってくれたことは、本当に救いだったのです。
とても面白かったです。
ありがとうございました。
作者からの返信
島本さん、こちらにお越し下さりありがとうございます。
憎しみや恨みをずっと抱えたまま生きていかなければいけない苦しさは、大なり小なりすべての人に当てはまると思います。それからアロガンの性質もみなどこかしら持っていて、ひた隠しに生きているのではないでしょうか。
そういう意味でも彼らの人生は決して他人事ではないと思います。
驕った者が本当の意味での敗者になるところを書ければと思いました。現実には難しいですが、だからこそ小説で書きたかったです。
こういう小説が参加できる自主企画が少ないので、ご迷惑かと思いながらもお邪魔致しました。読みに来てくださり、コメントまで残していただいて光栄です。過分な星も頂戴して励みになりました。こちらこそありがとうございました!
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幾人ものアロガン、幾人ものクレマン。
この二人をあと何人生み出せば人類は次の段階へ行けるのかと、考えさせられます。
同じ土俵に立たないことが勝利だという考えに同意します。ただ、実際にそれを選び取ることがどんなに難しいか。
クレマンの高潔な選択がアロガンの悪意をくじいた結末は、パンドラの箱に残った希望のようです。
現実がこれを凌駕する新しい未来を築いていけるよう、願います。
作者からの返信
鐘古さん、
お読みくださりありがとうございます。
強者が弱者を征服することが、仕方のないこと、あるいは当たり前のことのようにまかり通るのがいつまで続くんでしょうね。
クレマンのような「復讐」は、相手に通じなければ意味がありません。なので最後は老人に負けを認めさせたいという気持ちでこういう結末にしました。
そこにパンドラの箱に残った希望を重ねていただき、とても嬉しかったです。色んな醜いものが放たれたあとで、ほんの少しでも人間の心が残っていれば、と思います。
真摯なコメント、いたみ入ります。過分な星もいただき、感謝です。ありがとうございました!
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こんにちは。
本質的で、それだけに重たいテーマですね。
悪意に悪意で酬いる者と、そうしない者。
敵対者は蹂躙して平気な者と、敵対者であっても人として尊重する者。
前者ばかりが幅を利かせているような気もしてもやもやもしますが、それでも後者でありたいと思うし、後者を応援したいです。
過酷な経験を経てもなお、後者でありつづけた医師を尊敬します。(自分ができるかというと、、自信がないのですが、それだけになおさら)
作者からの返信
久里さん、こんにちは。こちらにお越し下さってありがとうございます。
医師のような生き方ができる人がいるか分からないし、自分にできるかと訊かれたら自信がありません。でも現実はあまりにも残酷な仕打ちが多すぎて、それが勝つこと=正しいこと、みたいになるのが危険だと思っています。
復讐というテーマから本質的なところまで足を踏み入れてしまって、力不足だったかも知れませんが、書きたいことを捉えて下さってとても嬉しいです。沢山の星も励みになります。ありがとうございました!
編集済
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ゴッ……
そこで思考停止したのですが、いやいや柊さんだしきっとゴッ……の話ではないはず。
深呼吸してから拝読いたしました。
ナチス幹部の身内を一族全員収容所に送られて絶滅させられた生き残りのユダヤ人が救う、そんなお話でした。
フランスも先の大戦では占領されておりますし、地続きの欧羅巴だと世紀単位で怨念が凝り固まっているでしょうから、「みんな許し合って仲良く」なんかでは到底片付かないでしょう。
本気でひとつの民族をこの地上から絶滅させようとした狂気からまだ一世紀も経っていません。
二度とあんなことは起こらないのではなく、SNSが発達した今だからこそ、ヘイトは簡単に煽れるし煽られます。
哀しいのは首相だって「これが明るい未来のための正義だ」と信じてやっていたのですよね。ヒトラーだって勝っていれば英雄で偉人でした。
作者からの返信
朝吹さん、
お越し下さりありがとうございます。
キャッチコピーとか苦手なもので、お目汚しな単語で申し訳ありません。
現実を見るととても丸く収まるなんてことは想像できませんね。憎しみは連鎖するし、お花畑のように許し合って仲良く、という未来は見えません。ヨーロッパにいるとタブーというものを強く感じます。昔虐げられた人たちが今度は強者になり、虐げる側になって自分の正義を主張するというのもSNSでよく目にします。そういう人の暴言は他人が読んでもメンタルが削られるものがあります。
現実をなぞる話なら現実の方が残酷なので、分かりやすい復讐劇を避けました。ゴキブリでもドブネズミでも、とにかく人間扱いされなかった人が人間を装っている者に人間として勝つというところを書きたかったです。そういう大きいものを書くには筆者の器が小さいもので、書ききれていなかったら恥ずかしいですが……
誤字のご指摘ありがとうございました。とても助かります。さっそく直しました。
拙い物語にもかかわらずお読みくださり、コメントと星も頂戴して恐縮です。お礼申し上げます!
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最後のひと言が告げられなくてほっとしました!
クレマン医師、辛かったですね。
でも、凄いです。復讐したい相手の孫をちゃんと助けてあげるなんて・・・。
色々と考えさせられるお話でした。
ありがとうございます!
作者からの返信
陽咲乃さん、お越し下さってありがとうございます。
最初に考えたときは告げる方のバッドエンドでした。でも彼の負けを決定づけるのは言えないことの方だと思いました。身分や立場じゃなくて人間として勝つって、この医師のような行動ではないか……と思って。それが書けていたら幸いです。
重たい題材にもかかわらずお読みくださり、コメントと星まで頂いてすごく嬉しいです。こちらこそありがとうございます!
後への応援コメント
クレマン医師、強いですね。
きっと多くの人々は(私も)、助けたくないという感情の方を優先させてしまう。
大切な人を殺された理不尽な怒りは強くて、その前には、敵がプライドを捨てて謝る姿さえ憎いと思ってしまう。
命の危機にある孫は悪いことをしていないのに、血縁ということで憎しみの対象になってしまう。
復讐って文中にもあったように、「敵と同じ次元に堕ちてしまう」ことであり、無差別攻撃のような復讐をすることで、善良だった人々の心に憎しみの種を植えてしまう。個人的なものだった憎しみが世界中に広がってしまう行為なのだと思います。
世界を良い方向に変えたいのなら、人を傷つける復讐はしてはいけない。
だったら、自分の心にある憎しみという強い感情をどうしたらいいのかっていうことなのですが……その一つの答えが、この作品にあると思いました。
最初、クレマンの「僕は二十年前、あの地区にいた人たちを背負って手術しています。滅ぼされた国の、救われなかった人たちを思って手術しています。──これが自分なりの復讐なのです」という意味がわからなかったのですが、民族を背負う。民族の代表として行動する。そのことを私なりに解釈したときに、ハッとしました。
クレマンは個人的感情ではなく、大きな視点で動いた。立派な人です。
一人の行動は小さなものであっても、アロガンの心に、そして助かった孫の心に、何かを残したと思います。それが未来に明るい光をもたらすことを望みます。
嫌なニュースやつらい出来事はたくさんありますが、柊さんに勇気をもらった気分です。大きなことはできなくても、自分の何かが他人に影響を及ぼす。だとしたら、絶望や憎しみに飲まれることなく、希望を持ち続ける心でありたいと思います。
新作を投稿するのは緊張すると思いますが、私もです。慣れませんね。
でもカクヨム仲間が読んでくれて、好意的な感想を寄せてくれるのってありがたいですよね。
私は柊さんに助けられている部分が大きいし、その柊さんが創作活動を続けていること。嬉しく思います!!
作者からの返信
遊井さん、
読みに来て下さってありがとうございます。おまけにこんなに丁寧なコメント、さらには素晴らしいレビューも頂いて、とても感激しました。なにが書きたいのかをしっかり捉えて言葉にして下さり、すごく励まされる思いです。こうして意図を汲んで下さる方がいるのがカクヨムの有り難いところですね。
復讐というと自分だって分かりやすいものを考えます。単純に「目には目を」で仕返ししてやりたいです。でもそれは憎しみの連鎖を繰り返すことにしかならないと思います。
実は書きながらすごく悩んで、本当なら分かりやすく怨みを晴らさせたいと思っていました。でも本当に勝つとはどういうことか考えて、この展開にしました。「ざまあ」はその時は気分がいいですが、同じ次元に堕ちるのと同じだと思います。なのでそれをセリフにして医師に言わせました。
遊井さんが言ってくれたとおり、クレマンは個人的感情じゃなくもっと大きなものを背負って生きています。そこを分かって下さってすごく嬉しいです。
最後も迷いましたが、殺せと言えないことで老人は自分の負けを認めた、というところが暗示できていれば幸いです。
こういう話を書くのはなかなか難しいですね。ものすごく緊張して投稿したので、好意的に捉えてくださる方には本当に感謝です。
いつも励まして下さり、改めてお礼申し上げます。ありがとうございます!
後への応援コメント
>僕の妹がゴキブリなら、あなたの孫だってゴキブリだ!
この罵倒の後の、
>政治家である前に人間でしたか?
この問いかけに、すごく深く貫かれました。
人間の数だけ「正義」があると思います。
正義という大義名分があれば、人はどこまでも残酷になれる。
復讐は復讐を産み、悲劇の連鎖はいつまでも終わらない。
クレマンの選んだ正義は、その連鎖を断ち切る一刀となったと思います。
アロガンは最後に、ただの一人の人間の心を思い出したかもしれませんね。
すごく深く考えさせられる、素晴らしい短編でした。
作者からの返信
陽澄さん、こちらにお越し下さり、ありがとうございます。
セリフを拾って下さって嬉しいです。
クレマンの心の中は書ききれないほど複雑だと思います。彼の人としての正直な気持ちを吐露させたかったのがこの言葉になりました。
同じ次元の復讐を繰り返していたら連鎖は終わりませんね。現実には難しいかも知れませんが、せめてフィクションの中だけでもこういう勝ち方をする人を書きたかったです。
読んで頂けただけでも嬉しいのに丁寧なコメントと過分な星まで頂いて、感激しています。ありがとうございました!
後への応援コメント
たった6千文字でここまで人間の本質を書き切るとはお見事ですね。
正義という名のもとに、民族浄化の大量虐殺やテロが行われている昨今。
復讐が復讐を呼ぶ負の連鎖。リアリティがあって考えさせられました。
医者である前に人間であるのか、人間である前に医者であるのか。
葛藤も伝わって来て胸が締め付けられました。
ホロコーストを始め、人間の業の深さは時代が変化しても無くならないという虚しさを感じます。
もし、アロガンが一般人だったらと考えますし、負傷したのが自分の孫ではなくとも、自国の民だったら、どう行動したのかとも想像します。
犠牲になるのは、いつも力を持たない弱者。
柊さんの伝えたいもの、静かな怒りが作品に込められていたなって思います。
素晴らしい作品をありがとうございます。
作者からの返信
ハナスさん、
お読みくださりありがとうございます。人間の本質を書き切っていると言って頂けると「ああ、よかった」と思えます。色々悩んだので、そのお言葉、すごく嬉しいです。
あまりにも目を覆いたくなるようなことや理不尽すぎることが多すぎますね。昨今の状況は特に気持ちが塞ぎますが、だったらしんどいと思っているより文章にしようと考えました。
命の危険のない安全な場所にいる人間がこういう話を書くのはおこがましいのかも知れませんが、時代を超えても変わらない人間の業とか狡さとかはどこの世界でも同じだと思います。
アロガンがもし一般人だったら、孫じゃなかったら、ここまでプライドをへし折られたか、どうでしょうね。そこまで想像してくださるのも作者にとって嬉しいです。
現実の世界でもうこれ以上弱い犠牲者が出ないことを祈るばかりです。
あたたかいコメントと過分な星に感謝いたします。本当にありがとうございました!
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柊圭介様
今回も本当に素晴らしい物語でした。
人間は自分や自分の身近な人、同族、そういうものを守るためには、冷酷にもなるし卑屈にもなる。これはもう、業のようなもので、常に警戒していても陥ってしまうなぁと思いました。傲慢なアロガンさんに憤りを感じつつも責めきれないのは、私の中にも同じ危うさがあるからだと思います。
反対に搾取され虐げられたクレマンさんが、別の方法を示してくれたことは素晴らしく、次世代への救いになってくれるといいなぁと思いました。憎しみや悲しみの連鎖は、将来に残さないほうがいいですからね。
色々考えさせられる物語でした。
作者からの返信
涼月さん、
こちらへお越しくださりありがとうございます。拙い文章で書ききれていないものがあるかと思いますが、人の業までこの中に感じて頂けたら投稿した甲斐があります。こういった危うさは仰るとおり誰の心にもあるものですね。
復讐というと言葉が強いですが、もっと次元の違う考え方があってほしいと思って、こういう展開にしました。クレマンのような境地に行くのは容易でないですが、憎しみが連鎖するのはとこかで断ち切らなければならないと思います。
愉快な話ではないにもかかわらず、お読みくださり、丁寧なコメントと過分な星もいただいて感謝でいっぱいです。ありがとうございました!
編集済
後への応援コメント
勇気ある作品を、ありがとうございます。
許し難い人間は確かにいる。でも、誰かを悪役にして終わらせてしまったら、業に塗れた人の世は永劫に悲劇を繰り返すのではないだろうか。つまり、『正しさ』というものにこそ、実に厄介な何かが潜んでいるんじゃないかと、思ったりしてます。
アロガンの行為は許されざるものであると同時に、彼なりの『正義』であった。
対してクレマンは、アロガンの正義を相手とせず、カウンターとしての『正義』を発動することもなく、違う次元から俯瞰して成すべきことを成している。…この違いは、何なのか?
非常に難しく、深く重要なテーマを切り出して頂きました。木々や花々が光を求めて育つように、なんていいますか、進むべき方向ってあるような気がするんですね。ファンタジーかもしれませんが。
とてもとても、考えさせられました。
作者からの返信
呪文堂さん、
お読みくださり、コメントと身に余るレビューまで本当にありがとうございます。
誰かを断罪して終わりになるのなら、同じようなことがこんなにも繰り返されませんね。なにかを盲信することや大勢であること自体が正義と信じられてしまうのはよくあると思います。ただ、ある者にとっての正義がある者にとっての犠牲になるのなら、その正義は正しいとは言えないと思います。
分かりやすい復讐劇ではなく、同じ次元に堕ちるのではない、もっと大きな意味の復讐はなにか、考えました。クレマンに出させたのはその結論でした。属性や身分を超えた命の重さを知っている人が一番強いのではないかと思います。
このように言うとファンタジーというか、世の中そんなきれいにはいかないと分かっていますが、フィクションだからこそこう書きたかったです。
分不相応な題材を扱いましたが、丁寧なご感想をくださり感謝に堪えません。ありがとうございました!
後への応援コメント
あ〜、何て感想を書けばよいか悩みます。
短い物語の中にぎっしり詰まってますね。
あらゆる場面でどちらを選択するのか? ドキドキハラハラの連続でした。
いつもとは雰囲気の違う作品のようでありながら、やはり柊さんならではの心がこもっていると感じました。
クレマン医師の『自分なりの復讐』、かっこよすぎます。
またまた素晴らしい作品をありがとうございました!
作者からの返信
風羽さん、
お読みいただきありがとうございます。
わざとドキドキハラハラを狙ってはいなかったのですが、書きながら神経に悪いなと思っていたので、それが文章にも移ってしまったのかも知れませんね。緊張を強いるような物語になって申し訳ありません。
クレマンの復讐はそうそう真似できませんが、かっこいいと感じていただけたら本望です。
感想に悩むと仰いながらなんとレビューまで書いて下さって、お礼の言いようがありません。折れそうな気持ちにつっかえ棒をしてもらった気分です。こちらこそ心よりお礼申し上げます!
編集済
後への応援コメント
本当に人間てどこまでも残酷になれる生き物ですよね。戦争も植民地支配も不平等で腐敗した政治も人身売買も不法移民の問題も…。この30年日本経済は不況ですが、自分より恵まれない人をみて、よく言えば現状に感謝・悪く言えば己を慰めている人は多いと思います。このままでは、この先色々な事が起きると思います。
屈辱的な経験をした側は、痛みを知ってこの医師のように「堕ちない」努力をし救う側に回る人もいれば(それが自分を癒す術でもあるかもしれませんね、決して癒えはしませんが)、だからこそ堕ちる人もいる。
表メディアは色々な忖度がありますが、個人取材のネットのドキュメンタリーはかなり赤裸々なものがあります。私は毎週のようにそれを見て、人間の残酷性を見つめています。識ることが大切だと思うので(現在進行形でその様子を映す映画は見られないのですが…汗)。
柊さんが書かれたからこそ、伝わるものがありました。ありがとうございました。
作者からの返信
葵さん、
こちらにお越し下さりありがとうございます。読んで下さっただけでも嬉しいですが、そのうえ丁寧なコメントを頂いて、また深く考えさせられました。葵さんの真摯なお人柄を感じます。
社会の膿を書き出せば尽きないですし、そんなことわざわざ見たくもないと思う方が多いと思います。僕は決して高尚な気持ちで書いたのではなく、自分の中の疑問や憤りをどうしても文章にしたかったのが理由です。
見ないふりって、いつまでもできるものではないと思います。
忖度とか忌避することで何が得られるかというと一瞬の安全ですね。目の前の得だけです。ごまかし続けるしかなくなってしまいます。葵さんが識ることが大切と仰るのがよくわかります。
この医師の「復讐」の精神性はそう簡単なものではないですね。だからこそフィクションで書きたかったし、老人の目から何かが落ちることも書きたかったです。
ヨーロッパに住んでいると色々なことを感じさせられます。もしそれがこれを書いたことに役立って、伝わるものがあったなら何よりです。
コメントに過分な評価も頂き、こちらこそお礼申し上げます。ありがとうございました!
後への応援コメント
柊さんが、なにを思い、なにを伝えたくて書かれたのか、ひしひしと伝わってきた気がしました。
もっと身近にありそうなことにたとえると、ついさっき前の車を煽っていたら事故ってしまって、煽っていた車の運転手に助けを求める状況とか……人の運命なんて一寸先はわからないし、ふとしたことで立場が逆転したりするものですよね。自分のことならまだ自業自得ですむけれど、周りの大切な人を巻き込むのはさすがに苦しいでしょう。でも、そのくらいでないとわからないかもとも思ったり。
だから、どんなときでも堂々と胸を晴れる行いを心懸けているべきなのだと思います。でも残念なことに、上に行くほどそれを忘れる人が少なくないように感じます。……否、胸を晴れる行いと信じて始まる場合のほうが多いのでしょうか……。高いところから見ていると、一人ひとりの姿が見えず、ただの数字になってしまうのでしょうか。なんにせよ、やりきれないです。
ところで、アロガンというのは arrogant、傲慢の意味の言葉からとられたのでしょうか。クレマンは Clemens、慈悲深いという意味がある名前から? これを思いついて、つい調子に乗って深読みしてしまったのですが、ナバクは「ナクバ」をもじったのかも、とか……。
いやぜんぜん違うって云われたら恥ずかしいですけど、考えすぎにしてはあまりにもぴったりハマったもので……スミマセン(^^;
作者からの返信
烏丸さん、読んでくださってありがとうございます。
立場の逆転を軸にしましたが、自分が反対の立場になったとき屈辱を覚えるのはそういう生き方をしてきたからで、お天道様に顔向けができない、というやつだと思います。でも仰るとおり、それを正しいと信じているからこそどんな非道なこともできてしまうのでしょうね。ヨーロッパもアジアも同じですが。
名前についてですが、その通りです。こっそり入れたのですが、よく気づいてくださいました。クレマンは里親なのでそういう人たちに恵まれた、という意味で。ナクバもそうです。ドリークは、かの首相の党名をもじっています。
こういう作品を投稿するのはありなのか迷いましたし(でもウクライナに関しては沢山あったけど)、不愉快に思う人もいるだろうし、本当は豆腐メンタルです。なのでご感想とあたたかい星にとても励まされました。読んで下さって、本当にありがとうございました!
後への応援コメント
柊圭介さん、こんばんは😊
これは決して空言ではない、今まさに世の中で起こっている出来事でもありますね。
自分本位の傲慢なアロガンでしたが、全く立場が逆になり窮地に追い込まれた時……人間のあがきや浅ましさを垣間見るようでした。
私も上月くるを様が仰るように、息をするのを忘れるほどでした。
読みながら柊さんのいつもの作風とは違うなと驚きながらも読み終わった時に深く心に突き刺さるものがありました。
他の方への返信コメントにすごく緊張して投稿したと言われていましたね。
それほど重いテーマでもありますね。
人間のエゴや不条理を描く天才作家、モーパッサンを彷彿させるような素晴らしい作品でした。
勇気をもって投稿して下さりありがとうございます✨✨
作者からの返信
この美のこさん、こんばんは😊 こちらにお越し下さりありがとうございます。
今まさに起こっているからこそ、20年後にこういう世界になっていないことを祈って書きました。どれだけ偉くても支配者でも、人間はひと皮むけば皆同じだと思います。それをこの主人公に重ねたかったので、感じ取っていただけてよかったです。
どんな理由でも弱者が犠牲になるのは間違っていると思います。それを認めるとあらゆる無差別攻撃を認めることになると思うのです。
こういう話はまず嫌がられるだろうと覚悟しておりますが、やはり投稿するのは緊張しました。モーパッサンには全く及びませんが、読んで下さってこのようなあたたかいコメントを頂けると本当に感謝でいっぱいです。過分な星も含め、心よりお礼申し上げます!
編集済
後への応援コメント
すばらしい!! 二話分を呼吸を忘れて拝読いたしました。
カクヨムさんに☆3つまでしかないのがもどかしいです。
少なくとも10倍、いえ100倍は謹呈させてくださいませ。
不思議ですが、昨夜、録画しておいた『ジュラシックパーク』を観ました。
世界中が知っている大作で、興行成績もすごいのでしょうけど、初めて観て、なにこれ?! と思ったのは、人間の享楽のためだけにつくった恐竜ワールドの責任者でありながら、いざ事が起こったら自分の甥たちのことばかり心配していた女性責任者のあまりな無能さ、ご粗末さ加減。ほかにも無神経きわまりない設定や台詞が目立ち、ご無礼ながら、世界的な監督の良識まで疑ってしまいました。
自分の身内ばかり大事にするエゴが偏屈なナショナリズムに、そして他国への侵攻や戦争につながることは言うまでもありません。
まさに時宜を得た名作をありがとうございます。
作者からの返信
上月さん、
過分なお言葉をありがとうございます。そのお言葉だけでも書いた甲斐があります。
「ジュラシックパーク」は有名ですが実は観たことがないので、ちょっと予告とかあらすじを観てみました。大ヒット作ということは知っていたんですが、疑問も残るんですね。いずれ観る機会があればと思います。
争いの種は突き詰めるとエゴに繋がるものですね。そこには必ず罪のない犠牲者がいると思います。これを書くのは勇気がいりましたが、コメントを頂いて非常に心強く感じました。あたたかい星も頂戴し、心よりお礼申し上げます!
編集済
後への応援コメント
またまた感動しました。憎しみが憎しみを生み、クレマンがどうするかというところが一つの読みどころ、そして手術をするというクレマンに対し、疑心暗鬼を起こすアロガン、さらに時々分からなくなるーあなたは政治家である前に人間だったかという根源的な問いかけ、そして、最後にクレマンを殺せという言葉を飲み込むダメ押し。
実によく考えられた、隙のない傑作だと思いました。いや、まいりました!
同時に、柊さんの強い思いを受けとりました。
作者からの返信
レネさん、
早速お読み下さってありがとうございます。すごく緊張して投稿したので、書きたいところをしっかり押さえてくださったご感想を頂いて本当に嬉しいです……!色々と悩んでこの展開にしましたが、よく考えてあるというお言葉に安堵しました。沢山の星も頂戴し、励みになりました。感謝でいっぱいです。ありがとうございます!
後への応援コメント
凄いお話でした……! 「支配者と被支配者が反転する錯覚に襲われた」という一文に象徴される緊迫感が終始あって、固唾を呑んで展開を見守っておりました。
キャッチコピーに選ばれた言葉に乗った激情も、強く胸を打ちました。起こってしまった虐殺をなかったことにはできなくとも、ラストでアロガンが台詞を変えたことが、この上ない救いのように感じられました。「ただ……ときどき、分からなくなる。医者である前に人間なのか、人間である前に医者であるべきなのか。あなたはどうですか。政治家である前に人間でしたか?」の台詞に対する、アンサーのように感じられて。拝読できて、よかったです!!
作者からの返信
一初さん、こちらにお越し下さりありがとうございます!とても嬉しいです!
書いている間、自分自身も緊張して気持ちが張っていたのでそれが全体に出ているのかも知れませんね。こういう題材を扱うのは大きな責任を伴いますし、反感を買うことも想像していました。
できるだけ客観的な視点で双方を書きたいと思いましたが、医師の言葉だけはどうしても吐き出させたかったです。
実はラストは迷っていて、色んな選択肢があったのですが、本当に人間として勝つってどういうことか考えた末、この結論になりました。医師のセリフに対するアンサー、と感じていただけて、これでよかったのだと思えました。
重たい題材ですが、読みに来ていただき、心のこもったご感想をいただいて感謝でいっぱいです。過分な星もお礼申し上げます!m(__)m