疎まれいたはずなのに愛情を感じるのは気のせいですか？

此処はあやかしが住う妖都。

他者を呪ってしまう異能を持つ花純は、封じられるように格子で育ち、一夜の火事にて幼き頃の記憶を失った。
窮地を救ったのは疎遠になっていた幼馴染。
数年ぶりの再会は波乱を呼ぶものだった。

彼は冷淡な鬼頭に変貌していた。

彼女を屋敷に置くや否や彼専属の下女にさせ、支離滅裂な命令、きついお仕事、周りからの差別、いつしか嫉妬の沼に足を取られてしまうが、援助者が現れ彼女を救い始める。
それは不器用ながら用意した鬼頭の戦略であった。彼の真意は花純を花嫁候補として側におくこと。世間から婚姻を認めさせる行動だった。

しかし彼女の異能は呪われていた。
良からぬ者が異能を利用するため狙いを定める中、もう一人、この妖都の重鎮、四神様が花純を尋ねられた。