美しい言葉で紡がれる世界と主人公の苦悩。 大切な人が意識不明になってしまったにもかかわらず、彼はやり場のない想いを何処へもぶつけることなく苦悩していた。 読んでいて苦しくなるし、辛さが伝わってきて涙が出ます。 しかし彼は諦めなかった。 もし大切な人が自分の身を挺して誰かを守り、その犠牲になってしまったら? 彼のように妻の気持ちを汲んで自分の中に感情を抑え込むことができるだろうか。 諦めずに回復を祈り続けることはできるだろうか? そして……この物語の結末は。 あなたも是非、お手に取られてみてくださいね。お奨めです。
物語の素晴らしさに心を惹かれたのですが、それを支えているのは、作者の丁寧な言葉選びのたしかさだと感じました。ぜひ、この素晴らしい物語をご一読願いたいと思います。
主人公の男性は昏睡状態にある妻を見舞いに日々病院に通っています。妻は女子学生を庇ったが故に交通事故に遭ってしまいました。目を覚ます気配のない妻に、男性は彼女が「春の星」と呼んだ桃の花を見せたいと考えるのですが……。春というとつい桜の花をイメージしがちですが、桃の花というセレクト、そして美しい描写。春の季節に是非読んで頂きたい作品です。
僕はこの物語を拝読させて頂き、とても感動しました。これをお読みの方に、大切な人っていますか?失くしたくない人っていますか?想いを見失わず、一途に見つめ続けたい人がいますか?ここに書かれているのは、そんな美しさが優しい雫になった物語です。僕は誰かに伝えたくて書いてます。あまり饒舌に語る必要はありません。おすすめ致します。心震える時間をお過ごし下さい( ;∀;)
誰かを想う気持ちは星の瞬きに似て、何かの拍子に、身体を置き去りに強く光り出す。そんな超新星みたいに熱い輝きを宿した二人のもとに、春の星が優しい光を投げかける。激しく、胸を打つ、美しくしなやかな物語。
洗練された美しい春の表現。和やかさに棲む滾る感情。たおやかで奥ゆかしい文体。花ひらく伊吹のように生命力に満ちていく。春の星とよばれる唯一の感性をぜひ感じ取ってください。
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