2話 殺人事件
④バズった動画
翌日。俺はいつもと比べ物にもならないくらいの再生数に喜びの感情で溢れていた。登録者も増え、事故物件での日々の様子を見たいと言ってくれる視聴者も増えていた。
………これはあるぞ!YouTubeで一発逆転あるぞ!………
さらに俺のYouTubeがバズリ、ネットニュースになった。家にはマスコミが押し寄せ、取材を求められた。俺は起こったことをありのままに話した。取材中、オーナーの剣崎が割り込んできて「うちを取材するなと言っただろ!!帰れ!!」とマスコミの人たちに怒鳴り始めた。その様子をたまたま見てしまった一般人がネットにオーナーのキレてる様子をあげてしまい、オーナーの剣崎はネットのオモチャとされてしまった。当然、剣崎のブログも荒れた。
………かわいそうに、、。でもナイス!………
オーナーをかわいそうだと思う気持ちもあったがそれ以上に自分の動画がバズっていることや世間から注目されていることが嬉しくてたまらなかった。もっと怪奇現象が起きてほしいと本気で願うようになった。
⑤減ってしまった再生数
数ヶ月が経過した。毎日のように事故物件を配信していたのだが起こる怪奇現象がワンパターンなものばかりと視聴者から飽きられてしまっていた。ワンパターンというか怪奇現象を映像で見れるだけでも凄いと思うはずなのに視聴者は求めすぎていると感じた。でも言われても仕方ないくらいワンパターンなものしか起きなかった。
そこで俺はある作戦を思い付いた。事故物件で起きる怪奇現象の謎を科学的に解き明かしてみたらどうなるだろうか。きっとまたバズるに違いない。そう思って有名な探偵、並木奏に依頼し、事故物件の謎を解き明かしてもらおうと考えた。
⑤探偵への依頼
「今、話題になってる事故物件の怪奇現象の謎を解き明かしてください!何でも解決できるんですよね?」
俺は奏さんにそう依頼した。奏さんは少し嫌そうな顔をしたがYouTubeの収益の半分を依頼料で支払うと言ったらやる気を見せた。
………結局金かい!………
奏さんはお金を積まれたらやる気を出した。とりあえず一家心中以降、例のアパートに住んだことのある人物を調べ上げ、その人たちが何ヶ月でいなくなったのか等のリストを作った。
_______________________
町田隆(24) 家賃 5200円 2022年2月〜5月
村上栞(27) 家賃 5000円 2022年6月〜7月
三好夫妻(30&31) 家賃 4700円 2022年7月〜8月
中元明(26) 家賃 4500円 2022年8月〜2023年1月
南沢早苗(44) 家賃 4800円 2023年1月〜4月
関口剛(60) 家賃 5200円 2023年5月〜8月
_______________________
リストを作った奏さんは歴代の住人に片っ端から電話をかけ、どのような怪奇現象が起こったのかを調べ始めた。すると最初の町田隆さんの頃は怪奇現象が一切起きていない事が判明した。しかし、ネットで事故物件と知ってしまい、出て行ったらしい。怪奇現象は次の村上栞さんが住んでから起こるようになっていた。さらに奏さんは俺に聞く。
「拓海さん!今回、家賃はいくらでした?」
「6000円です!格安ですよね」
それを聞いた瞬間、奏さんはニヤリと笑った。
「なるほど。この格安物件の謎、半分分かったかもしれません」
「マジですか!」
まさかこんなに数分で半分わかるとは思わなかった。そもそも怪奇現象だから答えはないだろうと高をくくっていたから驚きだった。
⑥殺される…!
奏さんに依頼した後。俺はいつも通り配信をし始めた。すると後ろかろ妙な影を感じた。
振り返った瞬間!
俺は首を切られた。YouTubeはバズりまくって再生数が100万を超え、急上昇ランクにも載った。
_______________________
〜ここからは拓海以外の視点で物語が進んでいきます〜
⑦謎のカメラ…
これは拓海がアパート内で殺される数分前のこと。拓海がいつも通り自分の部屋で配信している様子を背中から捉えた謎の動画が『呪い』というタイトルで配信されていた。拓海が怪奇現象に襲われてる間もずっと後ろから撮られている。コメントでは恐怖の声が多数寄せられた。
そして…
配信が盛り上がってきた頃、いきなり拓海は何者かに首を切られてしまった。その様子も一部始終、拓海の背中からの視点で配信されていた、、。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます