猛きもの、その名はロカテリア。


ネタバレなしで参ります。

ロカテリアシリーズは、作者さまが、カクヨムのイベントであるKACのために書き始められたもの。おそらく初めは、単発、読切のつもりで書かれたのだろうと思っています。もし違っていたらごめんなさい……。

でも、全8回のうち7回まで来た今回まで、すべてがロカテリア。
好評ゆえに継続されたというのもあるでしょう。
書いてるうちに楽しくなってきたというのもあるでしょう。

でも、わたしの意見は違うのです。

ロカテリアですから。
ほらあたしで書きな、書けんだろ、なんだよ一作で終わりかい、ほら次、次はそうだねえ、ああ、物書きのあいつの……って。
作者さまの手首を掴むくらいのことは造作もないのです。
抗えない。

本作について、わたしはいまからすごいくだらないことを書きます。
ここだけネタバレですが、本筋と無関係です。どうかご容赦ください。

汽車が出発するときに、汽笛、なるんです。
ピィー、って。
この、ピィー、が、なんだか無性に好きで。
こののどやかな表現ひとつに、ロカテリアが住んでいる世界が、街の赤い屋根の家々が、背の低い黄色味がかった草が一面に生えている野原が、森が、鬼の住む峠が、鉱山も海も、どんと、どおんと、広がって。

なんだか無性に泣きたくなったんです。
実際、泣いてるし。

そんなわたしのあたまを、ロカテリアはぱんってぶっ叩くんです。
なにしけたツラしてんだい、って。

猛きもの。

ロカテリアを愛しています。

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