概要
着実に、一歩ずつ移ろっては変わりゆく日々よ
大陸の一画に在りし国、天琳(テンレイ)。各地域恵まれた産業を発展させていた国であったが、とある年、悪夢のような大凶作が続いていた夏。北領の小さな邑で今年も冷害、これは山に慈悲を願って実りをいただくしかないが、タダでとは山ノ神が許すまい。ともすれば口減らしか。山ノ神に捧げる生贄を立てるか。額突きあわせて話しあった結果、邑が選んだ道は――生贄。
臍の緒を切ったばかり、乳もまだの赤子を使えばより一層の慈悲を願える。そうして、贄に選ばれた赤子はだがとんでもない方法で生き永らえたばかりか、異質な能力を「その者」に与えられていた。そして、邑に赴いた祈禱師の「助言」により、邑の人間たちは生き永らえた女の子、「静(ジン)」にさらなる過酷と残酷を強いた。
十七の歳、静はすっかり心を閉ざし、冷ややかに在り、
臍の緒を切ったばかり、乳もまだの赤子を使えばより一層の慈悲を願える。そうして、贄に選ばれた赤子はだがとんでもない方法で生き永らえたばかりか、異質な能力を「その者」に与えられていた。そして、邑に赴いた祈禱師の「助言」により、邑の人間たちは生き永らえた女の子、「静(ジン)」にさらなる過酷と残酷を強いた。
十七の歳、静はすっかり心を閉ざし、冷ややかに在り、
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