概要
主君を失った侍の心の大穴に、猫はより大きな猫型の穴を開け寝る(ひどい)
天正二十年(1592)。文禄の役のさなか、異国の攻城陣中。武辺の集う軍議の机上へ、堂々と猫の寝そべるを許す将の姿があった。亀井台州守茲矩である。度重なる奇行から老臣より乱心を疑われる茲矩は、このころ朝敵より外された楠木正成の遺勲をひとくさり讃えると、今日もまた謎かけめいた下問を行い、股肱の三将を困らせていた。臣下の身ながら茲矩の叔父にあたる多胡信濃守重盛は、立場ゆえ下問への返答を押し付けられ、この日もどうにか正答を探り当てる。城攻めの正着を判じて騒がしく攻撃に向かう主従一統を眺め、重盛ははるか昔を思い出す。
※某賞三次選考。調査と執筆でだいたい八か月くらい。家老屋敷跡で駐車場やってる末裔の爺さん思い出しつつ書いた。
※作品推奨対象年齢:俺。
※某賞三次選考。調査と執筆でだいたい八か月くらい。家老屋敷跡で駐車場やってる末裔の爺さん思い出しつつ書いた。
※作品推奨対象年齢:俺。
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