概要
タイトルは、略して「木(もく)バナ」と覚えてください。
【源氏物語の帖名にあやかった、オムニバス形式】第三帖 夕顔(2万8千122文字)完結!
源氏物語を愛する町医者、宣長に、次々と巻き起こる源氏的事件。
時は江戸、ところはとある城下町。
文学をこよなく愛する医師、木居(もくおり)宣長先生の所で下働き兼医者修行をしている主人公「お優」。
木居家の皆さんの家族愛と、お優の恋、そして江戸時代のとある城下町に巻き起こる、源氏物語的な事件を描く、知良うらら「朝の連続ネット小説」第2弾です。
-----------------------------
第二帖 花の宴 中編上 其の十二 「もののあはれ」 より抜粋
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!源氏の影に生きる町医者の温もり
『木居宣長 町医者ばなし~源氏物語奇譚~』は、江戸時代の町医者という職業を通して、文学と人間ドラマを巧みに織り交ぜた作品です。木居宣長という人物を中心に、医療の枠を超えた人間の優しさや温かさが描かれており、彼の診察に訪れる患者一人一人への細やかな心遣いが心に残ります。特に、宣長が「源氏物語」を愛し、その影響を受けながら日常を送る姿が、文学の深さと同時に時代背景を感じさせます。
また、お優と春庭の微妙な関係性、健吉とおまさの心の動きといった、登場人物の個々の感情が丁寧に描写されている点も印象的です。江戸時代の医師としての責任感と、人々との温かな繋がりが見事に交錯し、単なる医療物語に留まらず、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!静謐な語りに惹きこまれ、気が付けば時を忘れる物語
古典としての源氏物語、皆様はどのような印象をお持ちでしょうか。
今作は「お優さん」という語り部を通し、江戸の町医者周辺で起きる事件が源氏物語の帖名にあやかり記されます。
私は源氏物語の世界に初めて触れた時の記憶として、現代からの古典という位置づけでなく、そこに息づく想いがありありと現実の様に感じら、自分が平安を生きる一人の家人の様な気持ちになりました。変な読み方ですね(笑)。
今作を拝読するにそれと同じく、私は作中に没頭し江戸の色彩を仄かに感じました。とても楽しき体験です。そして愛おしさを感じました。
皆様が時代小説をもし苦手とされていても、その壁は必ず軽やかに取り払われ、その趣に心染…続きを読む - ★★★ Excellent!!!まさに朝の連ドラ小説! お江戸の空気感が素晴らしい。
実在した江戸時代の国学者であり医師である木居宣長。その弟子である「お優」が主人公のお話です。
まず驚いたのが、お江戸の空気感を余すところなく伝えてくる文体、情景描写。
丁寧な語り口でとても読みやすく、文字を追うことを楽しいと思わせてくれます。彼らの日常が穏やかな目線で見つめられ、物語が紡がれていくことが、とても心地良い。
一話が三百文字ほど、という形式が、またこの文体に合っています。一枚、また一枚と、その場面を楽しませてくれ、次へと捲る手が止まりません!
お優を始め、源氏物語を愛する町医者である木居先生、そのご子息である春庭さま。しっかり地に足をつけた登場人物たちが生き生きと描かれており…続きを読む