静謐な語りに惹きこまれ、気が付けば時を忘れる物語

古典としての源氏物語、皆様はどのような印象をお持ちでしょうか。
今作は「お優さん」という語り部を通し、江戸の町医者周辺で起きる事件が源氏物語の帖名にあやかり記されます。

私は源氏物語の世界に初めて触れた時の記憶として、現代からの古典という位置づけでなく、そこに息づく想いがありありと現実の様に感じら、自分が平安を生きる一人の家人の様な気持ちになりました。変な読み方ですね(笑)。

今作を拝読するにそれと同じく、私は作中に没頭し江戸の色彩を仄かに感じました。とても楽しき体験です。そして愛おしさを感じました。

皆様が時代小説をもし苦手とされていても、その壁は必ず軽やかに取り払われ、その趣に心染まり、気が付けば「ああ、毎日読みたいなぁ」なんて思える事間違いなしです。

お勧め致します。

淡々とした物語に息づくリアルな世界。しばしその身を沈められては如何でしょうか?

宜しくお願い致します( ;∀;)

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