執拗に小さく蹴り続けられる様な温かさ。

とてもややこしくて混乱していて無謀で、そして静かな小説だと僕は思った。
ゆえに、傑作だった。

僕は筆者様の小説をそこまでたくさんお読みしていないので、随分と見当違いな事を書いてしまうかもしれないけど、論理的に破綻してゆくがゆえに生まれるバランス、人間と言うのはそういうものだと思った。

僕らが認識して、丁寧に思考を重ね、何らかの意味を見出す事。それは人生の指標だったり、慰めだったり、まやかしだったり、そして希望だったり、人生の中で過ぎ行く想いは己と言う価値観を生み出す。
だけど、それはとても一方的で、客観性に欠き、破綻している事の方が多い。多くの人間はその事実を長い年月の中で自認する人もいるし、死ぬまで気が付かない人もいる。

僕らはそもそも多くを間違っている存在であったりする。

だから、人間は優しいのだと思う。

僕はこちらの小説を拝読して、そんな削ぎ落した優しさを見つけた気がした。

お勧め致します。

とてもややこしくて混乱していて無謀で、そして静かな小説です。ゆえに傑作でした。

皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)