素晴らしいです、つい唸ってしまった( ;∀;)

僕はこちらの物語を拝読させて頂き、正直困惑した。
その理由は「これはライトノベルなのだろうか?」と思ったからだ。
勿論、悪い意味ではない。

正直、これは「エンターテインメント小説」として、一般公募に出しても差し支えないのではないかとさえ感じた。それと同時に、少し大げさだが、ライトノベルと一般小説の垣根が揺らぎ始めている時代、それを象徴している様に思える。

例えば、マンガではあるが「葬送のフリーレン」なら皆様ご存知かと思う。いわゆるラノベ系のテンプレ素材を使っているが、その内容はまるで違うベクトルを向き、人間の持つ様々な感情を繊細にすくいあげ、見事な心打つ物語を形成してのけている。ゆえに「葬送のフリーレン」を誰かに紹介する時、「あれはファンタジーマンガだよ」と僕は気楽に言う事が出来ない。

こちらの物語を拝読して、僕は明らかに突き抜けた小説である事を感じた。まだ第7話までしか拝読していないが、ラノベにありがちな無駄に隙間多き改行もされておらず、真正面から小説という形で執筆されている。そしてその内容がもっとも重要となる。

少なくとも今回のカクコン10において、僕が拝読させて頂いた多くの物語の中でもかなり「異質」な部類であり、そのセンスに脱帽せざるを得ない。

それなりの読書量と読解力のある方なら、こちらの物語が抱えるポテンシャルをすぐに感じ取って頂けるのではないだろうか。

お勧め致します。

カクコン的な読者評価としては、★が1000や10000もつかないかもしれない(失礼)。だけど審査する方に僕の言葉が届くなら、心に止めておいて欲しい。
「もしかしたら次世代を牽引するカクヨムの種が、ここにあるかもしれない」という事を。

素敵な小説に出逢えた日に祝福を。

                                福山典雅