婀娜骨(あだぼね)

形代双(かたしろそう)は、金融機関や携帯電話事業者から不正な手段で個人情報を入手する「道具屋」と呼ばれるハッカーをしていた。彼は「道具屋」として仕事をするこそが自分のアイデンティティだと信じて疑っていなかった。
ある日、詐欺グループに「架け子」として入ってきた砂川玲(すながわれい)に一目惚れし、強い恋心を抱く。しかし、彼女には壮絶な過去があり、ある人物へ復讐するため、秘密裏に情報を集めていた。
そんなことは露知らず、仲間の協力もあって玲との初デートにこぎ着けた双。しかし、食事の席で玲は不穏な提案を持ちかけてきて──。

組織的詐欺グループにおける、ある未亡人の女と、若いハッカーの男の恋の物語(？)です。一部、著者の見た実際の夢を元にしています(第７章は夢の内容をほぼそのまま使っていま…続きを読む