第10話 吉祥寺の魔女(後編)

◇カリンの視点◇


「こんにちは、可愛い魔法少女さん」


「……………っ!」


 その人を初めて見た時のことを、私はきっと一生忘れないと思う。


 ライオンと同じ檻に入れられた子ウサギの気持ちと言えばいいのだろうか。


(ああ……、私は。死んでしまう)


 なぜかそう思ったわからない。


 本能的な恐怖だった


 その人はこっちを見て微笑んでいるだけ。

 

 長い艷やかな黒髪が風に揺れる。


 スラリとした長身に、紫色のワンピースはとても良く似合っている。


 まるでどこかのパーティーに参加したあとのような。


 大きな深紫色の瞳が私を真っ直ぐ見つめている。


「あれー? どうしたの? 固まっちゃって」

 頭を撫でられた。


 ふわりと良い香りがする。


 とたんに緊張が解ける。


(なんでさっきまではあんなに怖がっていたんだろう……?)


 私はここにきた目的を思い出して、慌てて口を開いた。


「はじめまして。この度、狛江市を担当することになった魔法少女の海川カリンと申します! よろしくお願いします!!」


「あら可愛らしい。よろしくね、カリンちゃん。うちのコーヒーは飲んだ? レンくんが淹れてくれるのは絶品だから是非味わっていってね☆」

 美人な魔女様の優しいもの言いに頭がくらくらして幸せな気分になる。


 マホヨさんが言った通り、魔女様って優しいなー。


 それに全身がキラキラしててとってもきれい……。


 ずっと見ていたいような……。


「太陽魔法・癒やしの光ヒールライト

「精神魔法・冷静な心カームハート

 

 両隣から声が聞こえた。

 ふわふわした気持ちが止まり、気分がシャキッとした。


「ミサキさん……いくらカリンちゃんが緊張してるからって見せちゃ駄目ですよ」

「店長、この子は小学生ですから幻覚魔法はいけません」


「えっ? えっ?」

 私って幻覚を見せられていたの。


「あら? この夢茸ドリームマッシュルームは身体に無害だから子供にだって安全なのよ」

 あっさりと言われた。


 本当に幻覚を見せられていたらしい。

 やっぱり魔女さんは怖い。


 しかし、落ち着いたのも確かだった。

 最初は口がまともに開けなかったし。


 私は改めてまじまじと、吉祥寺の魔女であるミサキさんを見た。

 

 綺麗な人。

 年齢はよくわからない。

 二十代の前半くらいに見えるけど、


「ミサキさんー。私、カリンちゃんのサポートをすることになったんですけど、水魔法のことがよくわからなくて。アドバイスもらえませんかー?」


 マホヨさんは魔女様に対してもフランクだ。 

 


「いいわよ、じゃあ広い場所をましょうか」

 パチン、とミサキさんが指を鳴らす。


 次の瞬間。


「えっ! えっ! えええええええええっ!」


 森の木々がスクリと、わらわらと移動していく。

 木の根が足のようになって、人のように歩いていく。



 ザッ……ザッ……ザッ……ザッ……ザッ……ザッ……ザッ……ザッ……



 一糸乱れぬ統率で、木々が移動する。


「ミサキさんは、木魔法の達人だから。この森の木は全部、ミサキさんの魔法で管理されてるんだよ。いざという時はこの森の木が全部ミサキさんの兵隊になるよ」

「ここの森の木が……全部……?


 驚く私にマホヨさんが説明をしてくれた。

 結界が張られているだけじゃなかった。


 木の一本一本にいたるまで、魔法がかかっていた。

 私はびっくりしすぎて口をパクパク動かすことしかできない。


 1分もしないうちに、さっきまで木々が生い茂っていた場所に大きな広場が出来上がった。


 私はその光景に呆然と突っ立っていた。

 ぼーっとしていると「パン! パン!」と手を叩いて注意を戻される。


「じゃあ、カリンちゃん。魔法を見せてー」

「は、はい!」

 私は回復する炭酸水ヒールソーダ降り注ぐ炭酸水ソーダシャワーを発動した。


「…………なるほど」

 私の魔法を真剣な表情で見る『藤の魔女』ミサキさん。


 ……がっかりされないかなぁ。

 最近、自分の魔法を調べたところどうやら魔法少女として私はかなり弱いらしい。

 そもそも攻撃魔法が使えないし。


「ふーん、カリンちゃんは後衛向きね」

 ぽつりとミサキさんは言った。


「後衛……ですか」


「攻撃魔法が得意な前衛タイプの魔法少女と組むのがいいかな。マホヨちゃんは、前後衛どっちもいける万能型だから、サポートしてもらうならマホヨちゃんに前衛やってもらうのがいいと思うわ。できれば、マホヨちゃんの魔法の出力を抑えてもらって、連携の練習をしようね。きっとマホヨちゃん以外の魔法少女と一緒に行動することになったらその練習が生きるから。あとは、魔法は毎日使うこと。魔法を使えば使うほど魔法の『熟練度』が上がって魔法の効果が増すのと、新しい魔法を覚える可能性が高まるから」


 スラスラと説明してくれるミサキさん。

 とてもありがたい。


 と、同時に私はここ最近で疑問に思っていることを口にした。


「あの……私は魔法少女をやっていけるでしょうか?」

「どうして?」

 不思議そうに尋ねられた


「私は魔法が2つしかつかえませんし……。どちらもあまり強くないですし」

「なんだそんなこと」

 ミサキさんが微笑んだ。


「そんなことって……。私、マホヨさんみたいに魔法少女を続ける自信が……」

「大丈夫よ。これを見て」

 そう言うと、ミサキさんはちっちゃな杖を取り出し。



「木魔法・木の葉の舞いダンシングリーフ


 

 魔法を使った。

 私たちの周囲に、数十枚の木の葉が渦巻いてぺしぺし身体に当たった。

 ちょっと、くすぐったい。


「あの……ミサキさん。今の魔法は?」

「私ね。もともと魔法少女だったんだけど、最初に使えたのはだったの」


「え?」

 さっきの葉っぱが巻き上がるだけの魔法?


「ひどいでしょー? 攻撃魔法どころか回復魔法でもなんでもない、ただの目眩まし魔法。怪人にだって全然通用しないし、ほんとどうしようかと思ったわよ」


 しみじみと語るミサキさん。


「それで……どうしたんですか?」

「修行したの」

 あっさりと言われた。


「カリンちゃんと一緒。最初はすっごく弱い魔法少女だったし、まわりに心配かけてたけど真面目に魔法を練習すれば大丈夫よ。私だってできたんだから」

 そう言って笑顔をみせてくれるミサキさんは優しい先生のようだった。


 マホヨさんの言う通り、魔女様は優しかった。


「私、がんばります!」

「うん、いつでも相談にきてね。私は木魔法が得意で、カリンちゃんは水魔法でしょ? 木の女神様と水の女神様は仲良しだから、その加護をもらった私たちもきっと相性がいいよ」


 ニッコリと微笑むミサキさん。

 魔女様がキラキラして見える。

 今度は幻覚じゃなく。


「木の女神フロレンティア様と水の女神アクアリア様の相性。そういうのもあるんですね。魔法歴史の勉強もしようと思います。ちなみにマホヨさんは……」


「太陽の女神アルテナ様ね。正直、太陽の女神アルテナ様は別格だから、相性の良い悪いは考えなくてもいいかしら」

「確か八女神様のリーダー……なんですよね?


「あー、どうかしらね。月の女神ナイア様と精霊の女神ノア様は、太陽の女神アルテナ様の配下ってわけじゃないから、その解釈もちょっと違うっていうか……」

 そんな魔法談義をしていると、向こうからマホヨさんの声が聞こえた。



「ねー、ねー、レンくん! 暇だから魔法組み手しようよ!」

 あっちではマホヨさんが、魔女様の弟子のレンさんに絡んでいる。


「ボクは忙しいので、店長か副店長にお願いしてください」

「ミサキさんはカリンちゃんを見てるし、副店長は留守でしょー。レンくんしかいないよー。ねーねー」

 

 マホヨさんがレンさんに声をかけている。

 魔法少女と魔女様の弟子の勝負。

 ちょっと、見てみたいかも。


「わかりましたけど……手加減してくださいよ? マホヨさんが本気で魔法撃ったら、森が消し飛びますから」

「大丈夫でしょー! ここはミサキさんの魔法がかかった結界の森なんだし」


「メンテしてるのは僕なんですよ! じゃあ、少しだけですよ」

 そんな会話が聞こえてきた。


 マホヨさんの話だと、レンさんのほうが魔法は上手って聞いたけど。

 レンさんは乗り気じゃないみたい。


「では、藤の魔女ウィステリアの一番弟子、三咲レン。参ります」

 レンさんが使い込んですり減っている木の杖を構えた。


「はーい、じゃ、次は私」

 マホヨさんが、魔法の手鏡コンパクトを手に取る。




光の魔法少女マギ・サンシャイン変身トランスフォーム!!」

 



 マホヨさんの身体が光に包まれて、赤い戦闘ドレスに切り替わる。


 長い黒髪が金髪ブロンドヘアになって、太陽の光を浴びてキラキラ輝いている。

 

「って、眩しい!!」

 直視できないくらい光を放ってる!?


「うわー、マホヨちゃん、やる気ねー。レンくんー、油断しちゃ駄目よー!」

「晴れた日のマホヨさん相手に気を抜けるわけ無いでしょ!」

 ミサキさんの呼びかけに、レンさんが怒鳴るように返事をした。


「レンくんー! じゃ、いっくよー☆」

 にっ! と笑みを浮かべたマホヨさんが……


「き、消えた!?」

 タン! という音と共に、マホヨさんの姿が見えなくなった。



光り輝く拳シャイニングパーンチ!!!」



 ド―――――――――ン!!!!! 


 という爆発音と共に地面がめくれ上がる。

 

「ひぇ!」

 地面の揺れで転びそうになった。


「大丈夫? カリンちゃん」

「ありがとうございます」

 ミサキさんが私の背中を支えてくれた。


 土埃が晴れて、どうやらマホヨさんの魔法を避けたらしいレンさんの姿が見える。


「お次は! 降り注ぐ光の矢レインオフライトアロー!!!」


 数百本……いや、千本を超えてそうな光の矢がレンさんに迫っている。

 あんなの避けられないよ!


「くっ、空間転移テレポート!!」

 ぱっとレンさんの姿が消える。


「視えた! そこぉ!!」

 誰も居ない場所に、マホヨさんが突っ込む。

 ちょうど目の前にレンさんが現れた。


「なんで、空間転移テレポートの出現先がわかるんですか!? マホヨさん!」

「魔力の残滓を追ったらなんとなくわかるでしょ! 光り輝くパンチシャイニングパンチ!!!」


「普通はわかりませんよ! 木魔法・拘束の蔦」

 レンさんの放った魔法でマホヨさんが木の蔦にぐるぐる巻にされる。



「甘い! 光の結界ライトバリア!」

 木の蔦が、木っ端微塵に吹き飛んだ。


(わー、光の結界ってそんな風にも使えるんだ) 

 新宿で私を守ってくれた時は、心強い魔法だと思ったけどマホヨさんは相手の魔法を壊すのに使ってる。


降り注ぐ光の矢レインオフライトアロー!」

「土魔法・鋼の壁スチールウォール

 光の矢を魔法の壁が防ぐ。


 それをマホヨさんが、魔法の拳で殴って壊している。


 私が目で追うのもやっとな高度な魔法の応酬が続く。

 

 多彩なのは魔女の弟子であるレンさんだ。

 空間転移や、木魔法、土魔法などを駆使してマホヨさんの魔法を防ぐ。


 マホヨさんは


・遠距離攻撃の光の矢ライトアロー

・近距離攻撃の光り輝くパンチシャイニングパンチ

・防御の光の結界ライトバリア


 この3種類を使ってガンガン攻めている。


 ミサキさんの言う通り、万能型だなー。

 羨ましい。


「…………」

 私はマホヨさんとレンさんの異次元の魔法組み手をぽかんと見ていた。


 魔法の応酬は、5分ほど続きマホヨさんが手を止めた。

 終わったのかな?


 レンさんがほっとした顔をする。


「じゃあ、そろそろ終わ……」

「よーし! 準備運動ウォーミングアップ終わり!」

 マホヨさんが言った。



「「え”?」」



 奇しくも、レンさんと私の声がハモった。


 準備運動?

 さっきのが?


「ちょ、ちょっと待ってくださいよ、マホヨさん! 前に魔法組み手した時より強くなっ……」


「魔法出力50%!!! 光よ、集まれ!!!」

 マホヨさんが右手を天に掲げる。



 カッ!!!!



 と太陽の光がマホヨさんを照らし、マホヨさんの周囲に青白い光のオーラのようなものが包む。



 ……ズズズズ……ズズズズ………………ズズズズ



 大気が震え。


 地面が揺れ。


 森がざわめいている。


(うわぁ……)

 魔法に疎い私でもわかる。

 今のマホヨさんの周囲を纏っている魔力マナはやばい。



「マホヨ、いっきまーす!!」

 マホヨさんが光になった。


「こないでください!!!」

 レンさんが空間転移で逃げる。



 もはや、目で追うことすらできなかった。



 パシ! パシ! と時たま残像が映るくらい。



 その時、ぽんと肩に手を置かれる。


「光の魔法少女を参考にしちゃ、駄目よ? あの子の性能ちょっとおかしいから」

「あれで……ちょっとですか?」


「あー、いや、うーん…………だいぶ、おかしいわね」

 ですよね。

 これが魔法少女の普通って言われた、私は今日魔法少女を卒業するしかない。


「あと、レンさんも凄いんですね。マホヨさんと互角に戦ってますし。魔女さんの弟子ってやっぱり強いんですね」


「レンくんの場合は、この森にいる間限定だから。藤の魔女わたしが作った魔法の森の中でだけ、ああやって自由に動けるの。レンくんは生まれつき身体が弱くてねー。あんまり森の外には出られないの。だからこの森から魔力を受け取って生活してる」


「そうだったんですか……」

 気づかなかった。


 もしかして私が来た時に色々魔法を見せてくれたのも、お客さんが珍しかったからなのかな。


「ちなみにマホヨさんが強いのも何か、制限があるんですか?」

 と私は聞いた。

 流石に、あれだけの魔法を何の制約もないはずが……。




「空に太陽がある限り、無限に魔力マナを得られるのが光の魔法少女マギサンシャインよ」




「それは反則チート過ぎませんか!?」

 私は大声で叫んでしまった。 


「ほんとよねー、太陽の女神アルテナ様もなんでこんな壊れ性能にしたのかしら。マホヨちゃんの性格が真っ直ぐだからよかったものの、普通はこんな能力もらたら歪むわよ」

 はぁー、とため息を吐く魔女さん。



 目の前では、マホヨさんとレンさんの魔法組み手が繰り広げられているらしい……のだが、私には見えない。


 ここで少し気になることがあった。


「あの……」

「ん? どうしたの、カリンちゃん」


「もし失礼な質問だったら無視していただいていいのですが……」

「なにかな? 年齢は秘密よ?」

 それはマホヨさんから注意を受けています。


「ミサキさんは……世界に72人しかいない魔女のお一人なので、マホヨさんよりもさらにずっと強いんですよね?」


 とマホヨさんから聞いている。

 きっと本当なのだろう。


 でも、目の前の。

 もはや目にすら止まらない魔法の達人同士の魔法の応酬を見て、それよりさらに強いとかもはや人間なのだろうか。

 なんて、考えてしまった。

 

「……んー」

 私の質問に「当たり前でしょ」と言われると思っていたら、魔女さんはあごに手を当てて少しちょっと難しい顔をした。


「ミサキさん?」

「ぶっちゃけた話だけど……」


「はい」

「晴れた日のマホヨちゃん相手だと私でも勝てるか怪しいかなー」


「………………え?」

 魔女さんは、魔法少女の100倍強いんじゃなかったの!?


(マホヨさんのうそつき!!)


「でも、補足しておくと私も含めて魔女は全員魔法の特性、長所、短所に詳しいから光の魔法少女と昼間に戦うような愚は犯さないよ。マホヨちゃんの使う太陽魔法は、日中は最強だけど夜になると一気に弱体化するから」


「そう……なんですね。あれ? でも、私は前に夜に助けてもらいました」

「それは昼間のうちに魔力を貯めてるの。私が教えた『魔力保管マナストレージ』って方法でね。でも限りがあるからいつも節約してるはずよ」


「そうなんですか」

 知らなかった。

 あんなに強いのに、制限されてたんですね。


「怪人が現れるのは夜の時間が多い。だからマホヨちゃんは、どうしても全力が出せない魔法少女なの。今日はレンくんと訓練できて楽しそうね。ただ、もしも夜に強い怪人と出会ってしまってもし魔力が残りわずかだったら、マホヨちゃんだって危機になる。その時はカリンちゃんが助けてあげるのよ?」


「私が……マホヨさんを……?」

 考えたこともなかった。

 魔法少女になる前から知っていて、いつも無敵のヒーローだった光の魔法少女マホヨさん。


 でも、夜になったら弱体化するってことを知ってる狡猾な怪人がもし現れたら。

 マホヨさんが負けちゃうこともありえる……?


「その時は私が絶対にマホヨさんの力になります!」

 私は力強く宣言した。


「うん、助けてあげてね」

 魔女さんは優しく微笑んだ。

 


 ちょうど、マホヨさんとレンさんの魔法訓練も終わったみたい。


「久しぶりに思いっきり暴れたから、スッキリ―☆ ありがとうね、レンくん」

「マホヨさんはしばらく、うちのお店は出禁です…………」


 マホヨさんはニコニコ笑顔。

 レンさんはぐったりと肩を落としてこちらへ歩いてきた。


「ちなみにマホヨちゃんて、過去七年でピンチになったことはほぼ無いらしいけど……」

「ええええ」

 私の決意はどうすれば!?


「よーし、じゃあ、次はカリンちゃんが私と魔法訓練の相手する?」

「…………………………え?」

 なんかさらっととんでもないことを言われたような。


「大丈夫! 魔法出力はレンくんの半分に抑えるか……あいたっ」

 ぺしっ! と魔女さんがマホヨさんに頭をはたいた。


「テンション上がりすぎて、ハイになってるから一回顔でも洗って落ち着きなさい」

「はーい」

 マホヨさんは、ぴょんぴょん跳ねながら店のほうに向かった。

 

 それから私は色々と魔女さんに、魔法少女の助言を授けてもらった。

 

 長く話し込んでいたら、夕方になってしまった。



「じゃあ、帰りますねー。お世話になりました、ミサキさん。レンくん」

「遅い時間までありがとうございました、ミサキさん、レンさん」


 私はペコリと頭を下げる。

 ちなみに今は、マホヨさんの魔法の箒に乗せてもらった。


 行きは飛んでこれないけど、帰りは飛んで帰れるらしい。

 よかった。

 同じ道を歩きたくないし。


「またねー☆」

 ヒラヒラと手をふる魔女さんと。


「マホヨさんは、しばらく来ないでください」

 マホヨさんの魔法で破壊された広場を、魔女さんが作った魔法の木人形と一緒に修繕しているレンさんが対象的だった。


こうして炭酸水の魔法少女マギ・スパークリング海川カリンの魔女様とその弟子さんとの初対面は無事に終わった。


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