参りました。完全に平安末期の世界に叩きこまれました。まだ序盤しか読んでいないのに、この作品に賭ける作者の情念を感じて悶絶しています。
とにかく文章が綺麗。遣う言葉の一つ一つが深い教養に裏打ちされ、時代小説を読む愉しみを堪能させてくれます。本来こんな序盤でレビューを書くことはしないのですが、衝撃のあまりキーボードを叩かずにはいられませんでした。
物忌みの習慣や陰陽師の存在など、平安期は不可思議な魅力にあふれた時代です。平安末期はそこに武士という存在が加わって、おそらく日本史上もっともファンタジー要素の詰まった時代だと思っています。そんな時代を舞台に、どんなストーリーが繰り広げられるのか? このレビューをご覧の皆さんと一緒に、追いかけていきたいと思います。
緻密で綿密な文章が織りなす物語は、もう素晴らしくて素敵過ぎる!主人公である八郎や、他の数々のキャラクター達が魅力的なのは当然の事ながら、彼等を巻き込む乱世の戦いや母である玉藻前の謀が面白すぎるのです!
そして武士が台頭し始める平安後期の世界観が本当に眼前に広がっているかの様ですし、何より日本史好きにはたまらない出来事ばかり。あの出来事の裏では、本当にこういう事があったんじゃなかろうか?と思うくらいの達筆過ぎる描写なので、殊更史実好きは興奮します!
日本史が好きじゃなくても戦物が好きなら間違い無く刺さりますし、この世界観は堪らないと思います!
まだまだ八郎の物語は続くので、最後まで一緒に八郎の武勇を見届けてみませんか?!
源氏のバーサーカー鎮西八郎為朝を主人公にした歴史小説
強い強いということは伝わってるものの
どのような人生を生きたのかは、
日本史に詳しい人でも意外と知らないことが多いのでは
ないでしょうか?
この時点で、とても興味深く拝読いたしました
平安末期の日本が舞台となるのですが
風俗、事物、言葉づかい、
どこにも違和感がなく、そもそも歴史小説として
とんでもなくクオリティが高いです
古い言葉がたくさん出て来るのに
文章が読みやすく、衝撃を受けるほど上手いです
登場人物も、これぞ歴史ものと言えるほど造詣が深く
複雑な人間関係の中、
それぞれの信念を持って行動しています
もう、この作品に★★★以外はあり得ないでしょう
平安時代末期。
武士が胎動し、鎌倉時代を迎える前。
めちゃ強・源八郎為朝《みなもとのはちろうためとも》を主人公とした歴史小説。
第一話から、かなり歴史小説!を打ち出しているので、歴史小説を読んだことのない読者さまには、一瞬、とっつきにくいかも?
でも、ご安心ください。
一話めより二話目のほうが、不思議と読みやすく感じ、読んでるうちに、どんどん惹き込まれ、最新話のほうでは、
「八郎、こんなに立派な良い男になってよぅ……!」
と読者は感動しつつ、
「八郎、頑張れよー!」
と、このお子様の時は、生意気乱暴者だった主人公の成長に、応援せずにはいられません。
なにしろ、八郎が強い、強い。
バトルシーンにも力がいれられ、戦のシーンは圧巻です。
恋愛要素も、ちょっとだけ、ありますよ。
作者さまが、かなり歴史考証、自分なりの考察をして物語を組んでいて、史実だけを扱う、ではなく、歴史ファンタジーの面白さです。
「歴史物は、当時の時代背景や登場人物のことに詳しくないと理解できず楽しめないのではないか」。そう思っていた頃が、僕にもありました…しかし、その考えは本作により打ち消されることとなります!序盤にストーリーの土台となる丁寧なあらすじが入り、コメントに対して作者様が史実に基づいた解説をしてくださるため、私のような歴史に詳しくない人でも安心して読み進められます!
何より、話がとても面白い…現状まだ途中までしか読んでいないものの、どんどん引き込まれます…!
これまで歴史物の小説を読んだことがない方は、デビューとして本作がうってつけです!