概要
十六でこの言葉にぶち当たったとき、私は大きな衝撃を受けた。人の視線を気にし、自分の選択や行動に自信を持てなかった多感な時期に、この言霊を含んだ彼の著作『森の生活』は私のバイブルになった。一文字一文字をなぞるように心に呑みこみ、トイレへ行くにも持っていき目に焼き付けた。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!この先がすごく気になる、とある日記。
自分の日記を誰かに読まれたら嫌だ。だからだと思うのだけれど、私は誰かの日記を読むとなると、ドキドキする。いけないことをしている気になるから。
そんなわけで、ちょっとした「逃げたい気持ち」が、読み始めてすぐにはあった。けれど、この作品の中に書いてある“とある顔”を思い浮かべた瞬間から、そんな気持ちは飛んでいって、いつも物語を読むときのように、ぱらりぱらりとめくり読むように、気づけば読み切っていた。
正直言って、物足りない。もっと読みたい。
終わり方が悪いわけではない。綺麗に終わっている。でも、気になる。この人生の、これより先が、すごく気になる。知ってどうなる?って思う。だけど、なんだか気になっ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!敵わん!まったく敵わん!
この作品を、感情のままに述べてしまうと、そうですね……、
「敵わん! まったく敵わん!」
です。
これは故大滝秀治さんが岸部一徳さんにむかって「つまらん!!お前の話はつまら
ん!!!!」と吐き捨てた時の言い方です。
レビューで阿呆なことを言うな?
残念ながら、当レビュアーは、この作品を適切に形容する語彙がないのです……。
ただ、瞬間的に、
「敵わん! まったく敵わん!」
が、本人の脳内でそう再生されましたから、ええ、それは確かです。
当作品の内容ですか?
めっちゃすごいです。
ああ、やっぱり語彙やばいですね……。
すいません。
っていうか、他のレビュアーの方のやつが、それこそ作品レベルと同…続きを読む - ★★★ Excellent!!!心に呑み込み、目に焼き付けた言霊
この物語を読んで、まず本当の美しさとは歪なものであるという言葉に衝撃を受けました。複雑な心情が滲み出る人生哲学を織り交ぜながら、物語が日記仕様で進行する中で、その意味が明らかとなります。
タイトルの伏線回収が、際どい危うさを抱えていながら、強烈な引力を持つ存在として、心を奪われるような衝動感を覚えます。一見、狂気とも言える表現が、この物語を読み返すうちに、その資質に内在する本当の美しさとしてあふれ、愛しさとして滲み、涙としてつたう。この感情の至りは独特で、今までに感じたことのない感性として心を打つのです。他の作者様では決して書くことのできない言の葉のもつ深淵なる味わいを、是非ご堪能くださ…続きを読む