この先がすごく気になる、とある日記。

自分の日記を誰かに読まれたら嫌だ。だからだと思うのだけれど、私は誰かの日記を読むとなると、ドキドキする。いけないことをしている気になるから。
そんなわけで、ちょっとした「逃げたい気持ち」が、読み始めてすぐにはあった。けれど、この作品の中に書いてある“とある顔”を思い浮かべた瞬間から、そんな気持ちは飛んでいって、いつも物語を読むときのように、ぱらりぱらりとめくり読むように、気づけば読み切っていた。
正直言って、物足りない。もっと読みたい。
終わり方が悪いわけではない。綺麗に終わっている。でも、気になる。この人生の、これより先が、すごく気になる。知ってどうなる?って思う。だけど、なんだか気になって仕方ない。
それはきっと、ちょっと狂気を感じる行動と、優しさ溢れる心が、この作品の中でぶつかり合っているからだと思う。
この先、どっちに転ぶんだろうって、ちょっと狂気を求めて、だけど狂気を捨てて優しさばかりをを抱きしめてほしいと願ってしまうからだと思う。
読後、ひたすらぽわんぽわんと心が揺れている。
この、余韻が凄まじい文学が、これから先、より多くの人の心に届きますように。

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