──美しいのは、愛という骨を見つけたからだ。



 私はきっと、大切な人の『死』に直面したとき、この話を思い出す。


 思い出して思い出して思い出して、
 気づいたときには虹乃ノランに侵食されているだろう。



 この作品を読んでしまったせいで、
 私の『最愛』は虹乃ノランに奪われた。


 虹乃ノランによって上書きされたのだ。



 この人のえならぬ狂気にも似た愛の前では、
 私のそれはこう呼ぶしかなくなってしまった……。




 私の愛など、──『最愛の手前』にしか過ぎないのだと。



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