しびと喰らひ、とわを希むは。

 これを読むのは三度目です。
 三度読み、そうして三度とも、読了後に肺の空気を掻き出すように呼吸をしています。吐き出す、ではなく掻き出す。すべてを空にしたくなるんです。ねえ、何故でしょうか。この作品を読むたびに、心臓がしくしく傷む。苦しくなる。なのに、この苦しさに喜びを抱いている。

 ずっと一緒ですね。
 いつか貴方が還る日が来ても、貴方がいつか白になっても。融合して区別のつかない〝ばあちゃん〟は文字通り一生一緒ですね。それは間違いなく───幸せなことだ。

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