Web小説の読者に対して行ったインタビュー。
あくまで特定の個人に対して行ったインタビューなので、これが全てのWeb読者を代表しているわけではない。しかし、内容としては大いに参考になるので作者の方は本文に目を通して置くことをおすすめしたい。
その上で本作を読んだ上で得た個人的な見解を述べさせていただきます。
とどのつまり、「ハズレを引きたくない」のだウェブ小説の読者というものは。
人間は何かを「手に入れる」よりも「損失を回避する」ことを選びがちである。これと同じ心理に支配され読者は作品を選んでいる。
このインタビューで、回答者は電車の通勤時間中にウェブ小説を読むと言っているが、彼に限らず大半の読者はそのような隙間時間にカクヨムを利用しているのが実情だろう。
つまり、読者が投入する時間的コストは低い。無料だから金銭的なコストもない。
そして、リターンとして望むのはその小さなコストに見合った小さな喜びだ。
そもそも、回答者はウェブ小説に手を出すきっかけを、「アニメなどメディア化された作品の原作がWEB小説だったから」と言っている。本当の意味でファンなのは、それらの名作と呼ばれる作品群に対してだ。
Webで読むのは「○○みたいなもの」……悪い言い方をすれば、その劣化コピーで構わないと考えている。わずかな時間で自分の好きなものを反芻して、ストレス解消ができればそれでいい。
彼らが最も嫌がるのは、開いた作品が自分の期待していた欲求を満たさず、「損をした」という気分を抱えることだ。だから、どんな内容なのかをすぐに判別できないタイトルは敬遠されるし、お決まりのフレーズで内容をくどいほどに説明したものが読まれるのだ。
インタビューされているようなWeb小説読みに迎合して、彼らの好みの小説を書くのか。
Web小説の潮流など知らない、自分は書きたいものを書くのか。どちらにしても、読まれる作品とそうでないものの格差が大きいのはなぜか、このインタビューは示している。
ビュー数で一喜一憂しない、星の少ない作品が必ずしもつまらないわけではないということを知っておいて損はない。
結局のところどんなものを書くか決めるのは作者自身なのだ。
良いカクヨムライフを。